建物賃貸借契約の違約金など

対象税目

消費税

 

概要

建物賃貸借契約を中途解約する場合の違約金

建物の賃貸人は、建物の賃貸借の契約期間の終了前に入居者から解約の申入れによる中途解約の違約金として数か月分の家賃相当額を受け取る場合があります。この違約金は、賃貸人が賃借人から中途解約されたことに伴い生じる逸失利益を補填するために受け取るものですから、損害賠償金として課税の対象とはなりません。

 

建物賃貸借に係る保証金等から差し引く原状回復工事費用

賃借人が立ち退く際に、賃貸人が賃借人から預かっている保証金等の中から原状回復工事に要した費用相当額を差し引いて受け取る場合があります。賃借人には立退きに際して建物を原状に回復する義務がありますので、賃借人に代わって賃貸人が原状回復工事を行うことは、賃貸人の賃借人に対する役務の提供に当たります。

したがって、賃貸人が受け取る工事費に相当する額は、賃貸人の賃借人に対する役務の提供の対価となりますので、課税の対象となります。

 

違約入居者から受け取る割増賃借料

賃貸借契約の契約期間終了後においても入居者が立ち退かない場合に、店舗および事務所等の賃貸人がその入居者から規定の賃貸料以上の金額を受け取ることがあります。この場合に受け取る金額は、入居者が正当な権利なくして使用していることに対して受け取る割増賃貸料の性格を有していますので、その全額が店舗および事務所等の貸付けの対価として課税の対象となります。

なお、住宅の貸付けに係る契約において住宅用であることが明らかとされている場合や貸付け等の状況からみて住宅用に供されていることが明らかな場合における割増賃借料については、住宅の貸付けの対価として非課税となります。

 

根拠法令等

消法4、6、消法別表第2十三、消基通5-2-5

 

タックスアンサーNo.6261参照

[令和5年10月1日現在法令等]