2020-03-31
所得税額控除
対象税目
法人税
概要
法人が支払を受ける利子等、配当等、給付補てん金、賞金などについて、所得税法、租税特別措置法または復興財源確保法の規定により源泉徴収される所得税および復興特別所得税の額(分配時調整外国税相当額を除き、以下「所得税等の額」といいます。)は、法人税の額から控除することができます。
(注) 分配時調整外国税相当額については、コード5761「分配時調整外国税相当額控除」)を参照してください。
所有期間に対応する所得税額控除
法人が支払を受ける利子等、配当等、給付補てん金、賞金などに係る所得税等の額の全額は、原則として所得税額控除の対象となります。ただし、次のようなもの(以下「配当等」といいます。)に係る所得税等の額については、元本の所有期間に対応する部分の額のみが所得税額控除の対象になります。
(1) 法人から受ける剰余金の配当(特定公社債等運用投資信託の受益権、社債的受益権に係るもの、資本剰余金の減少に伴うものならびに分割型分割によるものおよび株式分配を除きます。)、利益の配当(分割型分割によるものおよび株式分配を除きます。)、剰余金の分配(みなし配当を除きます。)または金銭の分配(投資信託および投資法人に関する法律または資産の流動化に関する法律に規定する金銭の分配をいいます。)
(2) 集団投資信託(合同運用信託、公社債投資信託および公社債等運用投資信託(特定社債等運用投資信託を除きます。)を除きます。)の収益の分配
(3) 国外投資信託の配当等
(4) 国外株式等の配当等
(5) 一定の短期公社債以外の割引債の償還差益
(注) 上記の(5)については、割引債の取得者と償還を受ける者が異なる場合は、償還を受ける者が所得税等の税額控除を受けることになります。
所有期間対応分の計算
配当等に係る元本を所有していた期間に対応する部分の所得税等の額の計算方法には、原則的な方法と簡便法とがあり、事業年度ごとにいずれかを選択することができます。
(1) 原則的な方法
元本の銘柄ごと、所有期間の月数ごとに次の算式により計算します。
(2) 簡便法
配当等に係る元本を「株式および出資」と「集団投資信託の受益権」とに区分し、さらにこれを配当等の計算期間が1年を超えるものと1年以下のものとに区分して、その区分に属するすべての元本について、その銘柄ごとに次の算式により計算します。
イ 配当等の計算期間が1年以下のもの
ロ 配当等の計算期間が1年を超えるもの
(注) 数式の符号の意味は、次のとおりです。
A = 配当等の計算の基礎となった期間の開始時に所有していた元本の数
B = 配当等の計算の基礎となった期間の終了時に所有していた元本の数
その事業年度で控除しきれなかった場合の取扱い
控除する所得税等の額がその事業年度の法人税額より多い場合には、その控除しきれなかった金額は還付されます。
手続き
所得税等の控除を受けるためには、確定申告書等において控除を受けようとする金額およびその計算に関する明細書(別表6(1))の記載が必要です。
注意事項
この所得税等の控除を受けた所得税等の額は、各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されません。
(注) 所得税等の控除を受けなかった場合、所得税等の額は、各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されます。
根拠法令等
法法40、68、78、法令140の2、措法3の3、8の3、9の2、41の9、41の12、措令26の11、所法23、174等、復興財確法28、33、復興特別所得税政令13
タックスアンサーNo.5760参照
[令和5年4月1日現在法令等]