家庭負担の年間消費税額は微減の平均24万4256円

日本生活協同組合連合会は、消費税が導入された1989年から毎年、組合員が家庭で負担している税額の調査「消費税しらべ」を行っている。消費税が8%になって2年目を迎えた2016年は、35生協539世帯の協力を得て、その実態を取りまとめた。同調査は、組合員が1年間つけた家計簿を基に、消費支出から非課税支出(住宅費、教育費など)を差し引いて税額を算出したもの。

調査結果によると、2016年は1世帯あたりの年間消費税額は平均24万4256円となり、前年から1万2011円減少し、収入に占める割合も3.71%と0.12ポイント減少した。平均年収は、給与所得世帯(給与・賞与が収入の半分以上を占める世帯)で818万円(前年比約▲5万円)、年金世帯(年金が収入の半分以上を占める世帯)で409万円(同約▲13万円)と、ともに減少していることから、全体に消費が抑えられていることがうかがえる。

消費税の税額と家計に占める割合の推移(調査世帯全体)をみると、消費税3%が導入された1989年の消費税負担額は平均10万4137円、収入に占める割合は1.57%、消費税5%にアップした1997年は同18万2260円、2.23%、消費税8%にアップした2014年は同24万893円、3.60%となっている。2016年は、消費税導入時の1989年と比べると、消費税負担額で約2.3倍、収入に占める割合で約2.4倍に増えている。

収入に占める割合(負担率)は、年収400万円未満(5.21%)から800~900万円台までの世帯(3.44%)は、若干の増減はあるものの、ほぼ前年と変わらない一方、1000万円以上の世帯では2.67%となり、前年より0.45ポイント減少。これにより、年収別で税負担の割合を比べると、400万未満が1000万円以上世帯の1.95倍と、前年(1.74倍)よりもさらにその差が開き、低所得世帯ほど税負担率が高いという「逆進性」は改善されなかった。

例年と同様に年金世帯の負担率が4.92%と、給与世帯の3.34%に比べ1.47倍になっている。2015年の年金世帯(4.94%)と給与世帯(3.49%)の比較1.42倍と比べてもその差は拡大している。また、最も負担率が高かったのは年金世帯かつ年収400万円未満の5.41%だった。最も負担率が低かったのは給与所得世帯かつ年収1000万円以上の2.67%で、年金世帯かつ年収400万円未満のほぼ半分の負担率となっている。

同調査結果は↓
http://jccu.coop/info/up_files/release_170329_02_02.pdf