2023-01-26
財務省及び国税庁は、昨年12月23日に2023年度税制改正(案)が閣議決定され、また、2022年度補正予算で各種補助金が拡充されたことを受けて、インボイス制度に係る改正事項を周知するため、「インボイス制度、支援措置があるって本当!?」と題したリーフレットをそれぞれのホームページ上に公表した。特に、免税事業者から課税事業者になるケースでは、納税額が売上税額の2割に軽減されることをPRしている。
免税事業者からインボイス発行事業者になった場合の税負担・事務負担を軽減するため、売上税額の2割を納税額とすることができるようになる。対象になるのは、免税事業者からインボイス発行事業者になった、2年前(基準期間)の課税売上が1000万円以下等の要件を満たす事業者。対象となる期間は、2023年10月1日~2026年9月30日を含む課税期間。個人事業者は、2023年10~12月の申告から2026年分の申告までが対象。
例えば、サービス業で売上700万円(税額70万円)、経費150万円(税額15万円)の納税額は、実額計算の場合は70万円-15万円=55万円、簡易課税の場合は70万円-35万円(みなし仕入率50%)=35万円だが、特例の場合には、「70万円×2割=14万円」に軽減される。売上・収入を税率ごと(8%・10%)に把握するだけで簡単に申告書が作成できるようになり、事前の届出も不要で、申告時に適用するかどうかの選択が可能となっている。
一方、各種補助金の拡充は、持続化補助金 について、免税事業者がインボイス発行事業者に登録した場合、補助上限額が一律50万円加算される。対象は、小規模事業者で、補助上限は50~200万円(補助率2/3以内、一部の類型は3/4以内)のところ、インボイス発行事業者の登録で50万円プラスされて100~250万円となる。補助対象は、税理士相談費用、機械装置導入、広報費、展示会出展費、開発費、委託費等。
また、中小事業者向けにIT導入補助金について、安価な会計ソフトも対象となるよう、補助下限額が撤廃される。対象は中小企業・小規模事業者等で、補助額は、ITツールが~50万円(補助率3/4以内)、50~350万円(同2/3以内)、PC・タブレット等が~10万円(同1/2以内)、レジ・券売機等が~20万円(同1/2以内)。補助対象は、ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)、ハードウェア購入費等。
なお、中小事業者向けに、1万円未満の少額取引の課税仕入れ(経費等)は、インボイスの保存がなくても帳簿の保存のみで仕入税額控除ができるようになる。対象は、2年前(基準期間)の課税売上が1億円以下または1年前の上半期(個人は1~6月)の課税売上が5千万円以下の事業者。対象となる期間は、2023年10月1日~2029年9月30日。また、1万円未満の値引きや返品等について、返還インボイスを交付する必要がなくなる。
この件については↓
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/invoice.pdf