2023-02-22
加算税は、申告納税制度の定着と発展を図るため、申告義務が適正に履行されない場合に課されるもの で、一種の行政制裁的な性格がある。2023年度税制改正においては、納税環境の整備の一環として、加算税制度が見直される。まず、無申告加算税の割合(現行:15%(納付すべき税額が50万円を超える部分は20%))について、納付すべき税額が300万円を超える部分に対する割合が30%に引き上げられる。
調査通知以後に、かつ、その調査があることで更正・決定があるべきことを予知(「更正予知」)する前にされた期限後申告・修正申告に基づく無申告加算税の割合(現行:10%(納付すべき税額が50万円を超える部分は15%))は、上記の納付すべき税額が300万円を超える部分に対する割合を25%とする。また、納付すべき税額が300万円を超えることにつき納税者の責めに帰すべき事由がない場合の適用に関する所要の措置が講じられる。
次に、過去に無申告加算税又は重加算税が課されたことがある場合に無申告加算税・重加算税の割合を10%加重する措置の対象に、前年度及び前々年度の国税について、期限後申告・修正申告(調査通知前に、かつ、更正予知する前にされたものを除く)又は更正・決定(「期限後申告等」)があった場合において、無申告加算税・無申告重加算税が課される者が行う更なる無申告行為が加えられる。
つまり、前年度及び前々年度に無申告加算税(期限後申告・修正申告が、調査通知前に、かつ、更正予知する前にされたものであるときに課されたものを除く)や無申告加算税に代えて課される重加算税(「無申告加算税等」)を課されたことがあるとき、又はその無申告加算税等に係る賦課決定をすべきと認めるときに、その期限後申告等に基づき課する無申告加算税等を10%加重する措置の対象に加えられることになる。
ただし、過少申告加算税、源泉徴収等による国税に係る不納付加算税及び重加算税(無申告加算税に代えて課されるものを除く)については、上記の見直しの対象としない。上記の改正は、2024年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用される。