2023-02-28
法務省では2月22日から、全国の法務局・地方法務局の本局において相続土地国庫帰属制度(相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律)についての対面相談・電話相談の対応を開始している。相続した土地について、「遠くに住んでいて利用する予定がない」、「周りの土地に迷惑がかかるから管理が必要だけど、負担が大きい」といった理由により、土地を手放したいというニーズが高まっている。
このような土地が管理できないまま放置されることで、将来、「所有者不明土地」が発生することを予防するため、相続又は遺贈(遺言によって特定の相続人に財産の一部又は全部を譲ること)によって土地の所有権を取得した相続人が、一定の要件を満たした場合に、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする「相続土地国庫帰属制度」が創設された。2021年4月21日に成立し、2023年4月27日からスタートする。
開始された対面相談・電話相談は、インターネット(法務局手続案内予約サービス)での事前予約制で、相談時間は1人、1日1回(30分間)。承認申請をする土地が所在する都道府県の法務局・地方法務局(本局)の不動産登記部門(登記部門)で受け付けており、支局・出張所では相談は受け付けていない。承認申請をする土地が所在する法務局・地方法務局(本局)への相談が難しい場合は、近くの法務局・地方法務局でも相談が可能だ。
相談に当たっては、土地の情報や相談内容を書き込んだ「相続土地国庫帰属相談票」や、引き取ることができない土地に当てはまらないか等を確認できる土地の状況を記入した「チェックシート」とともに、登記事項証明書又は登記簿謄本、法務局で取得した地図又は公図、法務局で取得した地積測量図、その他土地の測量図面、土地の現況・全体が分かる画像や写真などの資料をできるだけ持参することで、適確な回答を得ることができる。
なお、申請ができるのは、相続や遺贈(相続人に対する遺贈に限る)により土地の所有権を取得した相続人となるが、相談に関しては土地の所有者本人だけではなく、家族や親族が相談することも可能だ。また、申請が承認された場合、国に所有権を移転するためには、負担金の額の通知を受けた日の翌日から30日以内に、原則として一筆の土地ごとに20万円が基本となる負担金を納付する必要がある。