2021年度分赤字法人割合は61.7%、2年ぶりの減少

国税庁が公表した「2021年度分会社標本調査」結果によると、同年度分の法人数は286万4386社(前年度比2.1%増)で、このうち連結親法人は1836社(同0.7%増)、連結子法人は1万5868社(同14.9%増)だった。連結子法人を差し引いた284万8518社のうち利益計上法人(黒字法人)が109万917社(同3.8%増)で増加に転じ、欠損法人(赤字法人)は175万7601社(同1.0%増)で2年連続の増加となった。

この結果、全法人に占める欠損法人の割合は61.7%となり、前年度比▲0.6ポイントと2年ぶりの減少。このうち連結法人(1836社 )は、利益計上法人が1153社、欠損法人が683社で、欠損法人の割合は37.2% となっている。2021年度調査では、新型コロナウイルス感染症の影響による企業の業績悪化等が緩和されたことにより、黒字法人の営業収入金額は3年ぶりに増加し、所得金額も2年連続で増加している。

全法人の営業収入金額は1478兆4551億円(前年度比9.5%増)で、このうち黒字法人の営業収入金額は1142兆7539億円(同16.4%増)と大幅に増加し、3年ぶりに増加した。黒字法人の所得金額も75兆5808億円(同18.5%増)と2年連続で増加し、過去最大だった2018年度分(69兆7456億円)を5兆8352億円上回った。また、法人税額は13兆2464億円(同18.5%増)で3年ぶりの増加となった。

繰越欠損金の当期控除額は10兆917億円(前年度比43.7%増)と大幅に増加、翌期繰越額は73兆5399億円(同3.2%増)で、ともに2年連続の増加。1事業年度当たり当期控除額は、全体では1143万円で、業種別では、「鉱業」(9852万円)、「化学工業」(3742万円)の順。1事業年度当たり翌期繰越額は、全体では4238万円で、業種別では、「鉱業」(2億1984万円)、「金融保険業」(1億1473万円)の順だった。

一方、“景気のバロメーター”と言われる交際費等の支出額は、2兆8507億円と前年度比▲3.7%の減少で3年連続のマイナスとなった。また、このうち税法上損金不算入とされた金額は18.9%に当たる5384億円(同2.2%増)だった。営業収入金額10万円当たりの交際費支出額は、全体では193円で、これを業種別にみると、最も多いのは「建設業」の521円、最も少ないのは「化学工業」の76円となっている。

2021年度分会社標本調査結果の概要は↓
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/kaishahyohon2021/pdf/kekka.pdf