国税庁、電子帳簿等保存の改正事項のパンフを公表

国税庁は、2023年度税制改正において見直された電子帳簿等保存制度に関するパンフレットをホームページ上に公表し、周知を図っている。電子帳簿等保存制度とは、税法上保存等が必要な「帳簿」や「領収書・請求書・決算書など(国税関係書類)」を、紙ではなく電子データで保存することに関する制度。電子帳簿等保存に関する主な改正事項では、「優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置」の対象となる帳簿の範囲が見直された。

過少申告加算税の軽減措置の適用を受ける場合に優良な電子帳簿として作成しなければならない帳簿の範囲は、「仕訳帳」、「総勘定元帳」、「その他必要な帳簿」とされ、見直し前は、「その他必要な帳簿」は全ての青色関係帳簿とされていたが、見直し後は一定の記載事項に係るものに限定される。例えば、売上帳における、売上(加工その他の役務の給付等売上と同様の性質を有するものを含む)その他収入に関する事項がある。

また、仕入帳や経費帳、賃金台帳(所得税のみ)における、仕入その他経費(法人税は、賃金・給料・法定福利費・厚生費を除く)に関する事項。売掛帳における、売掛金(未収加工料その他売掛金と同様の性質を有するものを含む)に関する事項。買掛帳における、買掛金(未収加工料その他買掛金と同様の性質を有するものを含む)に関する事項。受取手形記入帳や支払手形記入帳における、手形(融通手形を除く)上の債権債務に関する事項。

さらに、有価証券受払い簿における、有価証券(商品であるものを除く)に関する事項(法人税のみ)。固定資産台帳における、減価償却資産に関する事項。繰延資産台帳における、繰延資産に関する事項、に限定される。なお、消費税について、この過少申告加算税の軽減措置の適用を受ける場合に優良な電子帳簿として作成しなければならない帳簿の範囲については、変更はない。

ちなみに、「優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置」とは、一定の範囲の帳簿について、「モニター・説明書等を備え付ける」などの電子帳簿として保存するための要件に加えて、(1)訂正削除履歴の保存、(2)帳簿間の相互関連性、(3)日付・金額・相手方による検索機能の3要件を全て備えて保存している場合には、後からその電子帳簿に関連する過少申告が判明しても過少申告加算税が5%軽減される措置だ。

この件については↓
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0023003-082.pdf