2023-04-26
2023年度税制改正では、制度の適用期限を迎える「低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」について、見直しを行った上で適用期限の延長を行う改正が行われた。同特例は、空き家の敷地等を売却した場合に要件を満たすと個人の譲渡所得(儲け)から100万円控除でき、適用されると所得税と住民税併せて最大20万円程度の節税になる。空き地・空き家対策として2020年度税制改正で創設された。
創設された同100万円特別控除は、個人が2020年7月1日から2022年12月31日までの間において、都市計画区域内にある所有期間が5年超の低未利用土地等を500万円以下で売った場合には、その年の低未利用土地等の譲渡に係る譲渡所得の金額から100万円を控除できるもの。対象となる土地等は、都市計画区域内にあること、低未利用土地等であることの両方に該当する必要がある。
ここでいう低未利用土地等とは、居住の用、事業の用その他の用途に利用されておらず、またはその利用の程度がその周辺の地域における同一の用途もしくはこれに類する用途に利用されている土地の利用の程度に比し、著しく劣っている土地やその低未利用土地の上に存する権利をいう。また、売却する相手は、親、子供、配偶者など特別な関係でないこととの要件がある。生計を一にする親族、内縁関係、同族会社なども対象外となる。
改正では、譲渡後の利用要件に係る用途から、いわゆるコインパーキングが除外される一方、(1)市街化区域又は区域区分に関する都市計画が定められていない都市計画区域(用途地域が定められている区域に限る)、(2)所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に規定する所有者不明土地対策計画を作成した市町村の区域内にある低未利用土地等を譲渡する場合の低未利用土地等の譲渡対価に係る要件が800万円以下に引き上げられた。
また、適用期限が2025年12月31日まで3年間延長された。なお、改正内容については、2023年1月1日以後に行う低未利用土地等の譲渡から適用となっている。