特定資産の買換特例、新設の届出の記載事項示される

法人が特定の資産(譲渡資産)を譲渡し、一定期間内に特定の資産(買換資産)を取得して事業の用に供する場合又は供する見込みである場合には、特定資産の買換えの圧縮記帳の適用を受けることができる。この特定の資産の買換えの場合等の課税の特例は2023年3月末に適用期限を迎えたが、2023年度税制改正においては、要件が見直された上、その適用期限が3年延長された(所得税についても同様)。

この見直しの一つに、期中の買換えについてこの特例の適用を受ける場合に、届出要件が設けられたことがある。譲渡資産の譲渡の日(同日前に買替資産の取得をした場合には、その取得の日)を含む三月期間の末日の翌日以後2ヵ月以内に、納税地の所轄税務署長にこの特例の適用を受ける旨等を届け出ることが適用要件に加えられた。この「三月期間」とは、その事業年度をその開始の日以後3月ごとに区分した各期間をいう。

この届出の記載事項が改正後の政省令において示されている。示された主な記載事項は、(1)届出者の名称、納税地及び法人番号、(2)同特例の適用を受ける旨及び適用を受けようとする措置の別、(3)譲渡が先の場合、譲渡資産に関する事項(譲渡資産の価額等、資産の種類等、譲渡年月日)、取得(見込み)資産に関する事項(資産の種類等、取得(予定)年月日)がある。

さらに、(4)取得が先の場合、取得した資産に関する事項(取得価額、資産の種類等、取得年月日)、譲渡(見込み)資産に関する事項(資産の種類等、譲渡(予定)年月日)、などが主な記載事項となる。これらの見直しは、2024年4月1日以後に譲渡資産の譲渡をして、かつ、同日以後に買換資産の取得をする場合におけるその譲渡に係る届出について適用される。

なお、譲渡資産の譲渡と買替資産の取得のいずれか一方でも同日前に行われた場合には、現行制度が適用されるため、同届出は不要となる。また、買替特例では、期をまたいだ一定の買換えについても適用が認められている。期をまたいで買替資産の先行取得をした場合には、取得事業年度終了日の翌日から2ヵ月以内に特例を受ける旨の届出が要件とされるが、その届出についての記載事項も上記と同様とする見直しが行われている。