国税庁、2024年度定員要求で1191人の増員を要求

国税庁が8月31日に公表した2024年度機構・定員要求によると、同年度の定員要求については、消費税不正還付や国際的な租税回避、インボイス制度の円滑な導入などへの各対応の観点から、1191人の増員要求を行った。一方で、2024年度の国税庁の定員合理化目標数が1140人とされており、差し引き51人の純増要求数となった。定員が純増となるのは8年連続。この結果、要求が通れば2024年度の定員は5万6036人となる。

主な機構要求をみると、インボイス制度の円滑な導入及び制度の定着並びに消費税不正還付への対応のため、福岡局に次長1名、国税局に課長補佐、税務署に消費税専門官をそれぞれ増設。新たな国際課税ルールに伴う体制整備として、国税庁に国際企画官を増設。経済取引のグローバル化等による調査・徴収事務の複雑化への対応のため、国税庁に国際徴収調整官(仮称)を新設、東京局に主任国際調査審理官を増設など。

経済取引のデジタル化等による調査・徴収事務の複雑化への対応のため、東京局に査察情報技術解析課(仮称)を、沖縄事務所に査察情報技術専門官(仮称)をそれぞれ新設など。さらなる酒類業振興のための体制整備として、国税庁に酒類企画官(仮称)を新設など。定年引上げに伴う最適な職場環境の整備のため、税務署に国税指導官(仮称)を新設。そのほか、再任用短時間勤務職員用ポストとして、国税局に審理専門官を増設する。

また、国税庁が同日に公表した2024年度予算概算要求額によると、緊縮財政の中で税務行政といえども必要経費を十分に確保することは難しいなか、2024年度は、2023年度当初予算額に比べ▲3.5%減の約6193億円を求めた。国全体の歳出削減が厳しく求められるなかで、税務行政の一層の適正な執行を確保し、適正・公平な課税の実現や歳入確保の要請に応えるためのギリギリの要求ということになる。

機構・定員要求は↓
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2023/teiin_kiko/index.htm

国税庁関係予算概算要求額は↓
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2023/yosan_gaisan/index.htm