各府省庁からの2024年度税制改正要望は189項目

財務省はこのほど、各府省庁から提出された要望(8月31日付)を単純集計した「2024年度税制改正要望の状況について」をホームページ上に公表した。それによると、各府省庁からの来年度税制改正要望項目数は189項目に及び、各府省庁の重複項目を排除すると136項目となった。直近の項目数をみると、2023年度税制改正要望は207項目(重複排除ベース139項目)、22年度税制改正要望では163項目(同126項目)となっている。

2024年度の要望数は前年度と比べると18項目少なく一昨年と比べると26項目多いが、各府省庁における重複要望を除くとそれほど違いはない。府省庁別にみると、最も多い要望を提出しているのは、今回も「経済産業省」で44項目。23年度は43項目、22年度は39項目だったことから年々増加している。以下、「国土交通省」30項目、「厚生労働省」25項目、「金融庁」が21項目の順で、財務省の要望項目は3項目となっている。

経済産業省の要望では、今年度末に期限を迎える「賃上げ促進税制」の延長・拡充を盛り込んでいる。具体的には、これまで中小企業などを対象に赤字などが原因で使えなかった税額控除分を繰り越せるようにするほか、仕事と子育ての両立支援に積極的な企業に控除率の上乗せを求めた。制度の創設としては、蓄電池や半導体など戦略上重要な物資の生産活動に応じて法人税を軽減する「戦略物資生産基盤税制」がある。

金融庁は、2023年度税制改正で見直されて来年から大幅拡充されるNISAについて、サービスを提供する金融機関や利用者の負担を軽減するため、デジタル技術の活用等により、NISA に係る手続きの簡素化・合理化等を進めることを要望。金融機関変更時や、口座開設後 10 年後の顧客の所在地確認の際に書面での手続きが必要となる等、デジタル化が十分に進んでいない手続き等の更なる改善が必要としている。

国土交通省は、住宅関連として、国民一人ひとりがライフステージに応じた住宅を無理のない負担で円滑に取得できる住宅市場の実現のため、居住用財産の買換え等に係る特例措置を2025年12月末まで延長することや、既存住宅の耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居・長期優良住宅化リフォームに係る特例措置を2年間延長するとともに、子育てに対応した住宅へのリフォームに係る所得税の特例措置の新設などを盛り込んでいる。

各府省庁からの要望事項は↓
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2024/request/index.html