2017-07-04
全国の国税局・税務署において7月3日、相続税や贈与税の土地等の課税評価額の基準となる2017年分の路線価及び評価倍率が公表された。今年1月1日時点の全国約32万5千地点(継続地点)における標準宅地の前年比の変動率の平均は+0.4%(昨年+0.2%)と、2年連続の上昇となった。路線価日本一は、32年連続1位となる東京・銀座「鳩居堂前」(1平米4032万円)で、過去最高だったバブル直後の1992年(3650万円)を上回った。
都道府県別の路線価をみると、標準宅地の評価基準額の対前年変動率の平均値の上昇率が「5%未満」の都道府県は、昨年分の1都2府11県から1都2府10県の計13都府県に減った。下落率が「5%未満」の都道府県は昨年の33道県から32道県に減少し、下落率が「5%以上」の都道府県は昨年に引き続きゼロとなった。ちなみに、東京は+3.2%(前年分+2.9%)、大阪は+1.2%(同+1.0%)。
一方、都道府県庁所在都市の最高路線価が上昇した都市は27都市(昨年25都市)、横ばいは16都市(同17都市)で、下落は3都市(同5都市)に減少。このうち上昇率「5%以上」は14都市(同15都市)に、また、上昇率「5%未満」は13都市(同10都市)だった。上昇要因には、都市部での再開発や不動産向け投資が拡大したことや、訪日外国人の増加を見込んだ店舗・ホテル需要の高まりなどがあるとみられている。
都道府県庁所在都市の最高路線価では、1位は東京・中央区銀座5丁目の「銀座中央通り」で、1平方メートル当たりの路線価は前年から26.0%上昇の4032万円となった。以下、大阪・北区角田町の「御堂筋」1176万円(増減率+15.7%)、横浜市西区南幸1丁目の「横浜駅西口バスターミナル前通り」904万円(同+15.7%)、名古屋市中村区名駅1丁目「名駅通り」880万円(同+4.8%)、と続く。
なお、2017年1月1日現在において、東日本大震災に伴う原発事故に伴い、(1)帰還困難区域、(2)居住制限区域、(3)「避難指示解除準備区域」に設定されていた区域内にある土地等については、路線価等を定めることが困難なことから、昨年分と同様に、相続税、贈与税の申告に当たり、「ゼロ」評価とされている。また、東日本大震災の被災地では宮城県が+3.7%上昇し、熊本地震のあった熊本県は▲0.5%下落した。
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