インボイス対応は概ね完了、課題は「業務負荷の増加」

大同生命が全国の中小企業経営者を対象に1月に実施した「インボイス制度への対応調査」結果(有効回答数7581社)によると、インボイス制度に「対応できている」と回答した企業は88%となり、対応は概ね完了していることが分かった。インボイス制度導入による課題(複数回答)としては、「業務負担の増加」が51%と最も多く、次いで「経営者や担当者の理解・連携不足」(19%)が続いた。「特に課題はない」は32%だった。

インボイス発行事業者として登録していない取引に「登録を依頼する」と回答した企業は27%、「検討中」は25%。「登録を依頼しない」企業は23%、「該当なし」は25%だった。インボイス制度に関する相談相手(複数回答)としては、「顧問税理士」が85%と突出して最も多く、次いで「経営者仲間」、「税務署」、「商工会・商工会議所」、「インターネット」と回答した企業が7%、「金融機関」が5%で続いた。

また、本年1月から「電子取引の電子データの保存」が完全義務化されたが、その認知度は、「内容を知っている」と回答した企業は65%、「義務化されたことは知っているが、内容は知らない」が29%だった。電子帳簿保存法に対応しない罰則については、「内容を知っている」は27%にとどまる一方、「罰則があることを知らなかった」企業が33%となり、電子データ保存の義務化を知っている企業でも22%となった。

取引先との請求書等のやり取りについては、「紙で対応」と回答した企業が64%となった。前回調査(2022年11月)と比べると▲7ポイント減少している。業種別にみると、「情報通信業」は他業種に比べて「紙で対応」の割合が少なくなっている。電子取引の電子データの保存について、「対応できている」企業は70%となった。「情報通信業」は、他業種に比べて「対応できている」割合が87%と多くなっている。

電子データの保存に「対応できている」企業が感じる「電子取引の電子データの保存」のメリット(複数回答)としては、「メリットは感じていない」(54%)を除くと、「書類のペーパレス化が進んだ」が32%で最多、次いで「書類の保存場所が不要になった」(16%)が挙げられた。一方、デメリット(複数回答)としては、「業務フローが複雑になった」が39%で最多、次いで「書類処理の時間が増えた」が38%となった。

同調査結果は↓
https://www.daido-life.co.jp/company/news/2024/pdf/240226_02_news.pdf