2024-03-06
退職手当等がいつの年分の所得となるかは、その退職手当等の収入すべきことが確定した日がいつであるかにより判定する。退職手当等の収入すべきことが確定する日は、一般的には退職手当等の支給の基因となった退職の日だが、役員に支給される退職手当等や退職給与規程の改訂による差額に相当する退職手当等、退職手当等とみなされる一時金などの退職手当等は、それぞれに定められた日とされている。
役員に支給される退職手当等は、支給について株主総会等の決議を要するものは、その役員の退職後その決議があった日。ただし、その決議が退職手当等支給だけを定めるにとどまり、支給金額が具体的に定められていない場合には、支給金額が具体的に定められた日とされる。退職給与規程の改訂による差額に相当する退職手当等は、その支給日が定められているものはその支給日、支給日が定められていないものは、改訂の効力が生じた日となる。
退職手当等とみなされる一時金は、一時金の支給の基礎となる法令、契約、規程または規約により定められた給付事由が生じた日。ただし、一の勤務先を退職することにより、その勤務先から退職手当等の支給を受けるほか、一時金が支払われる場合には、その一時金は、退職手当等のうち最初に支払を受けるべきものの支払を受けるべき日の属する年分の退職所得とされる。
引き続き勤務する者に支払われるもので退職手当等とされるものは、(1)役員だった勤続期間に対するものについては、上記「役員に支給される退職手当等」の決議があった日または支給額が具体的に定められた日。(2)使用人であった勤続期間に対するものは、イ.退職給与規程等の制定または改正に伴う退職手当等:その支給を受けた日、ロ.使用人の役員昇格または執行役員就任に伴う退職手当等:使用人から役員または執行役員になった日。
さらに、ハ.退職給与規程等の制定または改正によりその制定または改正の時に既に役員に就任している人全員に支払う退職手当等:退職給与規程の制定または改正の日、ニ.定年再雇用に伴う退職手当等:定年に達した日、ホ.定年の延長により延長前の定年に達した人に支給する退職手当等:延長前の定年に達した日、ヘ.法人の解散後も引き続き清算事務に従事する人に支給する退職手当等:法人の解散の日となる。
年金に代えて支払われる一時金で退職手当等とされるものは、退職手当等とされるものの給付事由が生じた日。ただし、退職の日以後その退職に基因する退職手当等の支払を既に受けている人に一時金が支払われる場合には、その退職手当等のうち最初に支払われたものの支給期の属する年分の退職手当等となる。