2024-06-06
2023年分所得税等の確定申告では、所得税の申告書提出件数が2324万3千件で、過去最高だった2008年分(2369万3千件)を1.9%とわずかに下回った。それでも2011年分以降はほぼ横ばいで推移しており、こうした2千万件を超える納税者数に対応するために、国税庁は、確定申告における基本方針として、「自書申告」を推進、そのためのICT(情報通信技術)を活用した施策に積極的に取り組んでいる。
国税庁のホームページ上で申告書が作成できる「確定申告書等作成コーナー」やe-Taxなど、ICTを利用した所得税の確定申告書の提出人員は全体で1939万8千人にのぼり、2022年分より3.7%増加。所得税の確定申告書の提出人員に占める割合は前年分より2.0ポイント上昇の83.5%に達した。贈与税の申告でも、提出人員51万人のうち85.8%(43万7千人)がICTを利用、その割合は前年分から1.9ポイント上昇している。
確定申告会場でのICT利用は、会場で申告書を作成「e-Taxで提出」255万6千人、同「書面で提出」13万9千人の計269万6千人で、前年分に比べ▲6.6%減少。一方で、自宅などでのICT利用は、「HP作成コーナーで申告書を作成・書面での提出」321万3千人、「同e-Taxで提出」646万人、「民間の会計ソフトで作成・e-Taxで提出」536万3千人の計1503万6千人で同5.4%増と、自宅等でのICT利用が増加している。
e-Taxでの所得税の申告書提出件数は、前年比7.3%増の1604万6千人となり、確定申告書の提出人員の約7割(69.0%)がe-Taxを利用。また、自宅からスマホを使ってe-Taxでの申告者は316万2千人で前年分から27%増えた。自宅から納税者本人によりe-Taxで申告の約半数(45.8%)がスマホを使っている。さらに、マイナンバーカードを利用したスマホ申告も244万1千人で、2018年分の約41倍に増加した。
そのほか、国税庁ホームページ上の『確定申告書等作成コーナー』では、マイナポータル経由で、控除証明書等の必要書類のデータを一括取得し、申告書の該当項目へ自動入力する機能( 「マイナポータル連携」)を2020年分から導入しているが、マイナポータル連携を利用して控除証明書等を取得した人は190万9千人(対前年比45.0%増)で、前年分から59万2千人増加している。