国税専門官採用試験の合格者3千人台にとどまる

人事院が8月13日に公表した2024年度の専門職試験(大卒試験程度)実施における国税専門官採用試験合格者の状況によると、合格者数は前年度に比べ84人多い3358人で、4千人台だった2021年度の4193人、22年度の4106人から23年度は3274人と大きく減少したが、24年度も3千人台にとどまった。合格者のうち女性の合格者数は1503人で、合格者に占める女性の割合は44.8%だった。

申込者数は1万2161人(うち女性が42.2%を占める5137人)だったため、合格倍率は前年度より0.7ポイント下落の3.6倍となり、昨年度の合格倍率4.3倍に比べやや緩和した。一方、採用予定数は前年度と同数の1100人(法文系の国税専門A試験による採用が約1000名、理工・デジタル系の国税専門B試験による採用が約100名)で、ここ10年では2014年度の1072人に次ぐ少なさとなっている。

合格者数と採用予定数に大きな差があるのは、掛け持ち受験して、より有利な就職をすることによる辞退者・無応答者が相当数に上ることを考慮して合格者数を決めていることによる。合格者は、採用候補者名簿(5年間有効)に得点順に記載され、名簿に記載された者の中から採用される者が決定される。採用内定は10月以降。来年4月の採用後は、税務大学校で約3ヵ月の専門官基礎研修修了後、採用局管内税務署に配属される。

国税新規採用職員には、職員の年齢構成の変化への対応策の一つとして導入した社会人での実務経験者を対象とする経験者採用試験による採用者もいるが、大半は、大学卒業程度を対象とする国税専門官採用試験か、高校卒業程度が対象の税務職員採用試験による採用で、1994年度に国税専門官採用試験による採用者数が、税務職員採用試験による採用者数を上回って以降は、新規採用職員の過半数を国税専門官採用試験の採用者が占めている。

なお、国税専門B区分については、経済社会の変化やデジタル技術の進展等を踏まえ、国税庁では、基幹システムの刷新や税務・徴収におけるデータ分析を行うことができる人材の確保に向けた取組みを強化。そのため、人事院・国税庁では、税務固有の課題や問題点を踏まえたデジタル分野の業務に対応できる人材を一層確保できるよう、2023年度の国税専門官採用試験から、理数系の基礎知識や素養を問う出題をする試験区分を創設している。

専門職試験(大卒試験程度)実施結果・合格者の状況は↓
https://www.jinji.go.jp/content/900007033.pdf