2024-12-25
国税庁は、今般、「外国税額控除に関する明細書」の様式誤り等に関するお知らせを公表し、国税庁が定める明細書に誤りがあり、分配時調整外国税相当額控除の適用を受ける方が当該明細書に沿って外国税額控除の金額を計算すると、外国税額控除の金額が過大に算出される場合があることが判明したことを公表した。
具体的な誤りは、分配時調整外国税相当額控除の適用を受ける方の外国税額控除の控除限度額の計算の基礎となる所得税及び復興特別所得税の金額が、それぞれ分配時調整外国税相当額控除の金額を控除した後の金額となるにもかかわらず、当該明細書では、同控除を控除する前の金額を記載する案内となっていたものである。
また、国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」においても、同様の誤りがある明細書が作成されるプログラムとなっていた。
様式誤り等により申告内容に影響を受ける可能性があるのは、外国税額控除のほか分配時調整外国税相当額控除の適用がある場合に限られるが、修正申告を行う場合は対応が必要となるため、確認も必要となる。
確認が必要となる対象期間は、令和2年分から令和5年分の所得税等の確定申告であるが、令和5年分以前の申告納税額に異動が生じない場合でも、令和6年分に繰り越される控除余裕額又は控除限度超過額の計算に異動が生じる場合があるため、正しく計算した令和5年分以前の「外国税額控除に関する明細書」の内容を踏まえて、令和6年分の外国税額控除の金額を計算することが必要になる点についても併せて確認しておくとよい。
国税庁では、上記誤りへの対応方法として、様式誤り等により申告内容の是正を要すると見込まれる納税者に対して、所轄の税務署から、申告内容の見直し、申告誤りのあった内容の是正と不足分の税額の納付を行っていただくことを順次連絡することとしている。
また、令和6年12月6日に「外国税額控除に関する明細書(居住者用)(令和2年分以降用)」及び「外国税額控除に関する明細書(非居住者用)(令和2年分以降用)」の改訂、タックスアンサー「No.1240 居住者に係る外国税額控除」及び「No.1241 非居住者に係る外国税額控除」の改訂、「外国税額控除を受けられる方へ(居住者用)」及び「外国税額控除を受けられる方へ(非居住者用)」の改訂を行い、修正申告の要否の判断をするためのフローチャート、正しい外国税額控除の金額を算出し、「外国税額控除に関する明細書」の作成及び印刷するツール(マイクロソフトエクセル)について上記「「外国税額控除に関する明細書」の様式誤り等に関するお知らせ」で公表している。
「確定申告書等作成コーナー」のプログラム修正は、令和7年1月6日を予定しているため(令和7年1月6日以前は「確定申告書等作成コーナー」利用による修正等はできない)、同日前に上記ツール等を利用して修正申告の要否を確認しておくとよい。
(参考)「外国税額控除に関する明細書」の様式誤り等に関するお知らせ
https://www.nta.go.jp/information/topics/0024011-034/index.htm