令和7年1月から収受日付印の押なつ廃止へ

国税庁は、納税者の利便性向上と税務行政のデジタル化推進を目的に、令和7年1月から申告書等の控えに収受日付印の押なつを廃止する。これにより、書面による提出からe-Taxを利用した提出への転換をさらに推進していく方針である。
 
これまでも確定申告時期には、収受日付印が不要な納税者を対象に「提出ポスト」の利用促進などが試みられてきたが、制度としては十分に定着しなかった。一方で、e-Taxの普及は進んでおり、令和5年度には、所得税申告で69.3%、法人税申告で86.2%という高い利用率を達成している。このデジタル化の潮流を背景に、収受日付印の押なつ廃止が決定した。
 
収受日付印の押なつ廃止に向けて、国税庁は十分な準備期間を設け、金融機関や行政機関などに対して事前説明を実施してきた。令和7年1月以降は、各種の事務において収受日付印の押なつされた申告書等の提出を求めないことを要請している。また、仮に、押なつ廃止後も押なつ書類の提出を求める機関を把握した場合は、国税当局が個別に説明を行うとしている。
 
これまで、金融機関での融資や行政機関の助成金、補助金の申請、奨学金の申請などで、収受日付印が押なつされた申告書等の提出が求められてきた。今後も提出事実や提出年月日などが確認できる書類の提出が求められる場面が想定されるため、以下の方法を活用すると良いだろう。
 
1 e-Tax(電子申告)による申告・申請手続
2 申告書等情報取得サービスの利用(オンライン請求)
3 保有個人情報の開示請求(手数料有り)
4 税務署での申告書等の閲覧サービス
5 納税証明書の交付請求(手数料有り)
 
国税庁は、収受日付印の廃止に伴う当面の対応として、窓口で交付する「リーフレット」に「収受日付」や「税務署名」を記載し、希望者に交付する方針である。また、郵送で申告書等を提出する場合は、切手を貼付した返信用の封筒を同封すると、同様のリーフレットを返送する仕組みをとる。
 
確定申告時期には、収受日付印を求める納税者で窓口が混雑する光景が恒例となっている。この押なつ廃止を機に、書面での提出からe-Taxによる提出へ切り替えることが現実的な対応と考えられる。
 
(参考)令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/onatsu/index.htm

 

(参考)申告書等の控えへの収受日付印の押なつの見直しに関するQ&A

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/onatsu/pdf/0023001-078.pdf

 

(参考)当分の間交付するリーフレット

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/onatsu/pdf/0023001-078.pdf#page=6