2017-08-21
2017年度税制改正において「積立NISA」が創設されたが、国税庁はこのほど、「『租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて』等の一部改正について(法令解釈通達)」を公表し、積立NISAに関する取扱いを追加した。積立型NISAは、年間投資上限額は40万円と現行NISAの3分の1だが、投資した金融商品の売却益や配当の非課税期間は20年と現行NISAの4倍に延びている。
積立NISAは、現行制度との選択制で、2018年1月から投資が開始される。積立NISAの制度設計において、家計は、長期間(非課税で保有できる期間は20年間)、保有し続けることを念頭に投資信託を選択し、毎月、少額ずつ積立方式で購入することが想定されている。投資初心者の安定的な資産形成を支援するという制度の趣旨から、資金力のない若年層でもコツコツと投資できるのが特長となっている。
法令解釈通達では、「累積投資勘定に受入れ可能な上場株式等の取得対価の額の合計額の判定」について、累積投資勘定へ受入れ可能な上場株式等は、受入期間内に受け入れた上場株式等の取得対価の額の合計額が40万円を超えないものに限られるのだが、累積投資勘定に受け入れられるかどうかの判定は、取引単位により行うこと等の留意すべき事項等についての整備が行われている。
NISAは、個人投資家を対象にした証券優遇税制。証券会社や銀行などで専用の口座を開設して行うもので、20歳以上の国内居住者なら誰でも利用できる。現行のNISAは、年間投資上限が120万円で非課税期間は5年。金融機関による宣伝の効果もあって口座開設数は1000万件を超えたが、使っていない人が半分以上を占め、稼働率アップが課題となっていた。積立・貯蓄型の創設によって、個人の「貯蓄から投資へ」の流れを後押しする。