全国企業倒産状況(2024年)

株式会社東京商工リサーチは、1月14日、「全国企業倒産状況(2024年)」を発表した。
 
2024年における全国の企業倒産(負債総額1,000万円以上)は、件数が1万6件(前年比15.1%増)、負債総額は2兆3,435億円(同2.4%減)となっている。
 
件数は、3年連続で前年を上回り、2013年以来11年ぶりに1万件を超え、企業規模別では従業員10人未満が89.0%を占めている。
 
増加の要因として、円安基調に乱高下が続き、物価上昇に歯止めがかからず、人手不足や最低賃金の引き上げなどで人件費も上昇し、幅広い分野でコストアップに見舞われたこと、また、コロナ禍の資金繰り支援で生じた過剰債務の解消が遅れ、企業収益に負担となって圧し掛かったことなどを挙げている。
 
「税金、社会保険料の支払」に関連する倒産は176件で、前年(92件)の1.9倍に増加したが、「ゼロゼロ融資」(新型コロナウイルス感染症対策の実質無利子・無担保融資)の利用に関連する倒産は567件(前年635件)で減少した。また、「物価高」に関連する倒産は698件(前年646件)と2年連続で増加、「人手不足」に関連する倒産は、求人難114件(前年58件)、人件費高騰104件(同59件)、従業員退職71件(同42件)の計289件(同159件)と増加している。
 
産業別件数は、10産業のうち、金融・保険業、不動産業を除く8産業で前年を上回った。最多は、サービス業他の3,329件(同13.2%増)で、3年連続で前年を上回り、1990年以降では初めて3,000件を超えた。2024年4月から時間外労働の上限規制が適用された、いわゆる「2024年問題」に直面した建設業が1,924件(同13.6%増)で3年連続、運輸業が457件(同9.8%増)で4年連続それぞれ前年を上回った。製造業1,141件(同16.7%増)と卸売業1,214件(同26.4%増)、情報通信業425件(同21.7%増)が3年連続、小売業1,098件(同16.9%増)が2年連続、それぞれ前年を上回っている。
 
地区別件数は、2年連続で全国9地区すべてにおいて前年を上回っており、増加率は東北(同30.8%増)、北陸(同27.5%増)の順となっている。
 
(参考)全国企業倒産状況(2024年)

https://www.tsr-net.co.jp/news/status/detail/1200857_1610.html