京都市の宿泊税が最高1万円に

京都市は1月14日、宿泊税の税率を見直し、宿泊者1人1泊につき現行の最高1,000円から最高1万円に引上げる案を公表した。
 
京都市の宿泊税は「国際文化観光都市としての魅力向上」と「観光の振興」に活用されてきたが、観光客が一部エリアに集中するなど、京都の魅力を十分活かし切れていないことや、観光の回復に伴い観光課題が再燃し、観光の効果が市民等に十分認識されていない等の問題が生じていた。
 
京都市では、「観光」の推進に加えて、市民生活と観光のさらなる調和・両立を図るため、観光が市民生活の豊かさにつながっていることを実感できるような施策を推進するため、その取り組みの費用として宿泊税の税率(税額)の引上げを実施し、それにより、「市民・観光客・事業者三者の満足度が高く、新たな魅力や価値の創造等にもつながる持続可能な観光」の実現を目指すとして、5つの施策(観光を通じた京都の魅力の継承・発展、文化の力を活かした価値創造、品格ある景観創造、観光課題対策の着実な実施、市民・観光客双方の利便性向上や安心安全につながる都市基盤整備)を実施するため、約130億円規模の財政需要が存在するとしている。この財政需要を賄うため、現行の全区分の税額を引上げ、想定税収を約126億円とするとした。
 
現行の宿泊税は、一人1泊につき2万円未満が200円、2万円以上5万円未満が500円、5万円以上が1,000円の3区分とされていた。
これを6千円未満は200円に据え置き、6千円以上2万円未満を400円、2万円以上5万円未満を1,000円、5万円以上10万円未満を4,000円、10万円以上を10,000円の5区分に見直しを行う。
 
現行200円区分の細分化に当たっては、宿泊料金10,000円前後のボリュームゾーンに境界を設けることを避け、宿泊事業者の事務負担にも配慮してこの区分としたとしている。
 
引上げ後の税額は、令和8年3月からの適用を目指し、改正条例案については、令和7年2月市会に提案を予定している。
 
可決された場合、総務大臣協議を実施し、改正の同意が得られた場合は、京都市および宿泊事業者のシステム改修をはじめとする準備・周知期間を経て、令和8年3月1日以降の宿泊について新税額を適用する予定としている。
 
なお、修学旅行生の課税免除等、税額以外は現行制度を維持するとしており、また、宿泊税のキャッシュレス支払への対応や、税額引上げに伴う事業者の対応(システム改修やパンフレット作成等)を支援するため、特別徴収事務補助金の補助率を3%(令和7年度交付分から5年間は3.5%)に引上げる措置も行うことを予定している。
 
(参考)宿泊税の見直し(案)について

https://www.city.kyoto.lg.jp/gyozai/cmsfiles/contents/0000335/335907/kaiken.pdf