金融庁、来年1月開始の「つみたてNISA」をPR

金融庁のNISA推進・連絡協議会はこのほど、来年2018年1月からスタートする「つみたてNISA」に関するリーフレットを作成・公表し、改めてPRしている。積立型NISAは、年間投資上限額は40万円と現行NISA(120万円)の3分の1だが、投資した金融商品の売却益や配当の非課税期間は20年(2018~2037年)と現行NISAの4倍に延びており、少額からの長期間の積立投資を促す狙いがある。

わが国の家計金融資産約1700兆円(2015年末)の50%(約900兆円)が現預金だが、米英に比べて株式・投信等の割合が低く、家計金融資産の伸びは低い水準にある(運用による増加に大きな差)。金融広報中央委員会の調査によると、有価証券・定期預金等による資産形成をしていない、金融資産ゼロ世帯は30.9%と3世帯に1世帯あり、特に収入階層「300万円未満」は42.2%など、所得階層が下がるにつれその割合は高まる。

国は、現預金の投資を促進するため、税制優遇措置のある各種の制度を導入しているが、その成果はなかなかみられない。一般のNISAは1000万口座を突破して着実に普及しているが、積立による利用は総口座数の1割以下にとどまり、また、一度も買付けが行われていない非稼働口座が全体の50%以上ある。投資を行わない理由では「まとまった資金がないから」(73%)が最多で、少額投資を知らないことがうかがえる。

こうした現状を背景に、2017年度税制改正において、少額からかつ長期間の投資が可能な「つみたてNISA」が創設されたわけだ。その特徴は、長期間の投資に適した商品を対象に、積立で毎月コツコツ投資し、長期間保有できることだ。投資で得られた運用益・配当金は20年間非課税となり、年間40万円を20年間積み立てることで、最大800万円を非課税で運用することができる。

リーフレットでは、 (1)長期投資に向かない商品や値動きの大きい複雑な商品は除外しているので、対象商品を選びやすく始めやすい、(2)月々一定額(例えば1万円)を少しずつ投資していく積立投資で、無理せず少額から始めることができる、(3)積み立てた分は制限なくいつでも解約し活用することができるとして、投資初心者を始め幅広い年代層の、安定的な資産形成をサポートする「つみたてNISA」での投資を勧めている。

リーフレットは↓
http://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/06.pdf