2017-09-20
国民生活センターは、健康保険料や税金の還付、医療費の払戻しがあるなどとして現金をだまし取る「還付金詐欺」に関する相談が、2016年度は7633件あり、2012年度(1040件)から4年間で7倍以上に急増していることから、注意を呼びかけている。還付金詐欺は、高齢者に対し自治体職員等を装い、還付金の受取手続きのため携帯電話とキャッシュカード等を持ってATM(現金自動支払機)に行くように誘導し振込みをさせようとする手口だ。
例えば、埼玉県の60代の女性のケースでは、役所の人からの電話で、「100万円以上の残高のある通帳を持って手続きをすれば、口座に還付金2万8000円が振り込まれる」と言われた。携帯電話を持ってスーパーのATMに行き、その前で指示された番号に電話し、担当者から言われた暗証番号982337を入力したが、還付金が振り込まれたと思い残高を確認したところ、98万2337円が他人の口座に振り込まれていることに気づいたという。
また、千葉県の70歳代の女性は、役所から医療費還付の連絡の後に、銀行からという電話の指示に従ったところ、ATMで約100万円を振り込まされている。還付金詐欺に関する相談は、60歳以上の高齢者が当事者になるケースが大半であり、2016年度の相談件数7633件のうち、60歳以上の契約当事者が全体に占める割合は96%、2017年度8月31日までの相談件数は2177件(前年度同時期2698件)だが、60歳以上が96.7%を占めた。
同センターでは、還付金詐欺の手口の特徴として、(1)市役所などの公的機関の職員や金融機関の職員になりすます、(2)「手続きの期間が過ぎている」などすぐに手続きをしなければならないかのように信じこませる、(3)ATMでは自分の口座からの振込みではなく、自分の口座への振込み手続きかのように錯覚させる、(4)振り込まれた金銭はすぐに引き出され、一度、振込手続きをすると複数回振込みをさせようとする、ことを挙げている。
また、消費者に対しては、(1)電話で「お金が返ってくるのでATMに行くように」と言われたら、それは還付金詐欺、そのまま電話を切るように、(2)還付金等に心当たりがある場合でも、すぐにATMに向かったりせず、役所の担当部署に電話をかけて確認を、(3)「お金が返ってくる」など還付金詐欺に関する電話があった場合は、すぐに警察や消費生活センター等に電話するなど、周囲に相談を、とアドバイスして注意を呼びかけている。
この件については↓
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20170914_1.html