「つみたてNISA」の認知度、約8割が「知らない」

国は、現預金の投資を促進するため、税制優遇措置のある各種の制度を導入しているが、その成果はなかなかみられない。そこで期待されているのが来年2018年1月からスタートする「つみたてNISA」だ。年間投資上限額は40万円と現行NISA(120万円)の3分の1だが、投資した金融商品の売却益や配当の非課税期間は20年(2018~2037年)と現行NISAの4倍に延びており、少額からの長期間の積立投資を促す狙いがある。

しかし、「つみたてNISA」の国民の認知度がいまだ低いようだ。三菱UFJ国際投信が20歳~69歳の男女1万人を対象に9月に実施した「つみたてNISAの認知度調査」結果によると、「つみたてNISA」制度と投資信託の認知度を尋ねたところ、「知っている」が19.1%に過ぎず、残りの約8割は「知らない」と回答したことが分かった。「知らない」の内訳は、22.7%が「投信のみ知っている」、58.2%が「両方知らない」だった。

年齢別では、「60歳代」の認知度が22.7%と高いほかは、その他の年齢別で大きな差はみられなかった。ただし、「つみたてNISA」は若年世代の投資への参加を期待しているところ、「20歳~24歳」の認知度が15.3%とやや低いのが気になる。また、地域別では、「北海道」(16.2%)や「中部地方」(15.9%)の認知度が低く、「関東地方」(21.1%)や「近畿地方」(21.0%)など都市部が高い傾向がみられた。

次に、つみたてNISAを「知らない」と回答した中から抽出した104名に対し、「つみたてNISA」や「積立投信」の特徴を示してその魅力度を尋ねたところ、「いつでも解約し引き出すことができる」(64.4%)や「まとまったお金がなくても始められる(毎月1万円程度から)」(51.0%)などの魅力度が高い反面、「あらかじめ対象商品が限られているので選びやすい」(31.8%)の魅力度は低かった。

こうした「つみたてNISA」の特徴を認知してもらった上で、「つみたてNISA」への関心の変化を尋ねたところ、26.9%の人が「関心が高まった(つみたてNISAを利用してみたい)」と回答している。一方で、「関心が高まった」と回答しなかった人のその理由(複数回答)については、「投資は損をしそうで怖い」(50%)、「投資をする余裕資金がない」(42%)との回答が上位に挙げられた。

同調査結果は↓
http://www.am.mufg.jp/text/release_171004.pdf