2017-11-24
こんにちは渡辺です。
先日関与先様から海外出張の費用は経費になりますよねと聞かれました。当然業務で行けば経費になるだろうとは思っていましたが、色々聞いていくと実は観光も兼ねているということでした。仮にこれが仕事6割、観光4割だと仮定した場合、観光部分は経費にならないことは容易に想像はつきますが、航空券などの共通経費はどのように扱えばよいのかという状況に直面しました。
本日はこの海外渡航費についてみていきたいと思います。
①業務の遂行上必要な海外渡航の判定
法人の役員又は使用人の海外渡航が法人の業務の遂行上必要なものであるかどうかは、その旅行の目的、旅行先、旅行経路、旅行期間等を総合勘案して実質的に判定するものとするが、次に掲げる旅行は原則手押し手法人の業務の遂行上必要な海外渡航に該当しないものとする。(法人税基本通達9-7-6)
(1)観光渡航の許可を得て行う旅行
(2)旅行斡旋を行う者等が行う団体旅行に応募してする旅行
(3)同業者団体その他これに準ずる団体が主催して行う団体旅行で主として観光目的と認められるもの
この通達では判定上の形式基準を定め、これに該当する海外渡航については、原則として法人の業務の遂行上必要な海外渡航にはならないとされている。
しかし、上記の形式基準に該当する場合であっても実質的に業務の遂行上必要と認められるものであるときは、その海外渡航費が旅費として損金の額に算入されるとされています。
②業務の遂行上必要と認められる旅行と認められない旅行とを併せて行った場合の旅費
法人の役員又は使用人が海外渡航をした場合において、その海外渡航の旅行期間にわたり法人の業務の遂行上必要と認められる旅行と認められない旅行とを併せて行ったものであるときは、認められる旅行の期間と認められない旅行の期間との比等により按分し、認められない旅行に係る部分の金額については、その役員又は使用人に対する給与とする。(法人税基本通達9-7-9)
国税庁のHPに損金算入額又は必要経費算入額の計算の方法として次のように書いてあります。
(1)その団体旅行にかかる損金等算入割合が90%以上となる場合、その旅行に通常要する費用の額の全額を旅費として損金の額に算入する。
(2)その団体旅行に係る損金算入割合が10%以下となる場合、その旅行に通常要する費用の額の全額を旅費として損金の額に算入しない。
(3)その海外渡航が業務遂行上直接必要であると認められる場合(業務従事割合が50%以上の場合に限る)、その旅行に通常要する費用の額を往復の交通費の額とその他の費用の額とに区分し、その他の費用の額に損金等算入割合を乗じて計算した金額と往復の交通費の額との合計額を旅費として損金の額に算入する。
(4)参加者のうち別行動をとった者等個別事情のある者がいる場合、その者については個別事情を斟酌して業務従事割合の算定を行う。
※業務従事割合
業務従事割合は、旅行日程を「業務に従事したと認められる日数」、「観光を行ったと認められる日数」、「旅行日」及び「その他」に区分し次の算式により計算した割合とする。
※損金算入割合は業務従事割合を10%単位で区分したものとするが、その区分にあた
り業務従事割合の10%未満の端数については四捨五入する。
※日数の換算は1日を8時間とし、おおむね0.25日単位でカウントしていきます。
上記、損金算入割合と損金との関係を表にすると以下のようになります。
今回の事例に当てはめて仕事6割、観光4割だった場合には、往復の交通費の全額が経費になり、その他の費用については6割が会社の経費、4割はその者に対する給与ということになります。
いかがでしたでしょうか。海外出張ともなれば金額も大きく参考となる資料も多くなると思われますが、この知識を元にアドバイスが出来たらいいと思います。
本日は海外渡航費の紹介でした!