2017-12-11
東京税理士会は、会員が受けた税務調査について、(1)事前通知の実施状況、(2)無予告調査、(3)調査件数、調査内容及び調査日数、(4)調査結果、重加算税処分などの実態把握を目的に、2017年度「税務調査アンケート」を実施した。調査結果(有効回答数1716会員)によると、対象期間(16・7〜17・6)に2495件の税務調査があり、このうち「納税者のみに通知があった」件数は245件(9.8%)で、前年より4.4ポイント増加した。
通知がなかった無予告調査件数は99件(4.0%)で、このうち「事前通知はなかったが、税務調査が速やかに開始されたもの」が77件(77.8%)だった。無予告調査は、納税者の負担が特に大きいことから、東京会では、「正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれがあるとき」又は「調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められるとき」以外は避け、事前通知は要しないとの判断は慎重にするよう求めている。
回答のあった調査件数2445件の内訳は、「法人税(消費税含む)」が1887件と約77%を占め、「所得税(同)」が266件、「相続税(含む贈与税)」が172件、「消費税(単独調査)」が81件、「その他国税」が39件。調査内容は、「帳簿・証憑」が2058件(84.2%)で大半を占めているが、他の調査内容については、(1)「現金・預金」(28.5%)、(2)「机・書庫・金庫」(10.5%)、(3) 「パソコン等」(8.2%)などの順に多くなっている。
調査日数については、2445件中、「1日」で終了したものが486件で20.5%(前年比0.2ポイント減)を占め、「2日」が1038件で43.9%(同5.8ポイント%減)と、1〜2日で終了したものが全体の64.4%を占めた。また、「3〜4日」は392件で16.6%(同1.6ポイント減)のほか、「5日以上」が449件で19.0%(同7.7ポイント増)となり、特に5日以上の件数の増加が著しく、かつてない高い割合となっている。
調査結果については、回答のあった2021件のうち、「申告是認」が458件(22.7%)、「修正申告」が1515件(75.0%)、「更正」が48件(2.4%)。修正申告・更正1563件のうち、「重加算税処分」となったものは、279件(21.2%)だった。なお、調査官の態度としては、「良い」が36.9%(昨年度43.9%)、「悪い」が9.8%(同7.7%)、「普通」が53.3%(同48.4%)で、昨年度と同様、「良い」と「普通」で9割以上という結果となった。