2017-12-13
先日発表された東京税理士会の2017年度「税務調査アンケート」では、税務調査日数は1日〜2日で終了との回答割合が、約64%だったことなどが明らかになったが、同調査では書面添付制度についてもアンケートを行っている。調査結果(有効回答数1716会員)によると、回答のあった1512件のうち、「書面添付をしている」ものは349件で、添付割合は前回(22.1%)に比べ1.0ポイント増の23.1%となった。
「添付している」と回答した349件(23.1%)の内訳は、「全て添付している」が50件(3.3%)、「一部添付している」が299件(19.8%)。また、「添付していない」と回答した1163件(76.9%)のうち、「過去に添付していたが、今は添付していない」との回答が43件(2.8%)あった一方で、「今は添付していないが、今後添付する予定」との回答が86件(5.7%)あり、今後の添付割合の上昇が期待できそうな結果となった。
書面添付件数をみると、「法人税(消費税含む)」は、総申告件数1万483件のうち書面添付した件数が4201件で40.1%(前回70.5%)、「所得税(消費税含む)」は、同1万1099件のうち1692件で15.2%(同46.4%)、「相続・贈与税」は、同976件のうち490件で50.2%(同54.7%)となっている。添付比率は昨年度上昇した反動で、今年度は大きく下がる結果となった中で、「相続・贈与税」の比率は比較的安定している。
書面を添付している理由(複数回答)については、「税務調査の省略化」が59.2%で最も多く、次いで「業務品質の向上」(51.4%)、「税理士の権利」(36.8%)、「業務上の責任範囲を明確化」(33.0%)、「顧問先に対するアピール」(32.5%)、「金融機関に対するアピール」(10.3%)などの順に挙げられた。その他の理由としては、(1)顧問先からの要望、(2)責任範囲の明確化、などの回答があった。
一方、書面を添付していない理由(複数回答)については、「時間や労力がかかり煩雑」が52.1%で最も多く、次いで「添付する効果が不明」(49.6%)、「報酬の請求が困難」(31.3%)などだった。書面添付制度に対する意見では、「積極的に利用するつもり」といった肯定的な意見もある一方で、昨年度に引き続き「書面添付制度を利用する効果が不明確」という意見や様式の簡素化を望む意見も多かったという。