2018-01-19
こんにちは、濵川です。
所得税の確定申告の時期になりました。
平成29年分の所得について確定申告の必要がある人は、3月15日が申告期限となります。
(消費税については、今年は4月2日が申告期限です。)
弊社では下記の日程にて確定申告の無料相談会を実施致しますので、
興味のある方はお気軽にお電話ください。
実施日:2/9(金) 2/16(金) 2/26(月) 3/5(月)
電話:045-680-4301
さて、引き続き競馬の馬券の話です。
1回目
2回目
3回目
今回は、実際の判例を見てみましょう。
2015年3月に下された判決です。
元会社員の男性は、3年間で28億7千万円分の馬券を購入し、総額30億1千万円の
払戻金を得ていました。利益はおよそ1億4千万円、まさに天才的馬券師と言えます。
これが無申告であったため当然脱税にはあたるのですが、問題は何所得になるかです。
国税庁(検察側)はこれを一時所得とし、経費にできるのは当たった馬券の購入額だけ
であると主張しました。
対して被告側は雑所得を主張し、配当額から全馬券の購入費を引いた額が所得になる
と抗弁しました。
判決に影響を与えたのは、この男性の馬券の買い方でした。
男性は市販のソフトを改良し、過去のデータや独自の判断基準で期待値の高い馬券の
組み合わせを算出し、毎レース100通り単位で購入していました。
また自宅のパソコンで馬券を自動的に購入するシステムも組んでいました。
こうした馬券の購入方法は、「外れ馬券が当然に発生する」ことを前提としており、
また現実に毎年多額の利益を得ていたため、「営利を目的とする継続的な行為」
であることと認定されました。
かくして、男性の儲けは雑所得であるという判決が下され、被告側の勝訴となりました。
このような経緯があり、国税庁は通達の一部を3回目で見たように修正した訳です。
簡単に言うと、「競馬の儲けは原則として一時所得だけど、ソフトウェアを使って、
インターネットを介して継続的に多額の利益を得た場合は、仕方無いから雑所得でいいよ。」
というものです。
判決を受け入れつつも、雑所得の適用を本件のような極めて特殊なケースに
限定した訳ですね。
では、こうした行為を行わず、個別に判断して馬券を購入している場合、
毎年どんなに利益を上げていても、通達通り一時所得とされてしまうのでしょうか?
実はつい最近の2017年12月、そうした訴訟の最高裁判決が出ました。
次回最終回で、その詳細を見てみましょう。
濵川でした。