2018-03-07
2018年度税制改正では、金の密輸入の増加に対応するため、消費税法を改正し、輸入に係る消費税の脱税に係る罰金額(ペナルティ)の上限を、現行は脱税額となっているものを、脱税額の10倍が1000万円を超える場合には、脱税額の10倍に引き上げる。現在国会で審議中の所得税法等一部改正法の公布日から起算して10日を経過した日以後にした違反行為について適用するとしている。
財務省が2月23日に公表した2017年の全国の税関における金地金密輸入事犯の摘発状況によると、金地金(金塊に加えて一部加工された金製品も含む)密輸入事犯の件数は前年比66%増の1347件、押収量は前年比約2.2倍の6232キログラムにのぼり、深刻な状況が続いていることが明らかになった。摘発した事犯を密輸形態別にみると、航空機旅客・乗組員による密輸入が1270件と全体の9割以上を占めた。
摘発件数、押収量ともに消費税率が8%に引き上げられた2014年から急増し、以後毎年増加している。輸入時には税関で消費税が課税されるが、密輸して消費税を免れ国内で売れば消費税分が儲けとなるため、消費税率が高くなればなるほど密輸による儲けも大きくなることが増加の背景にある。2019年10月には消費税率10%への引上げが予定されており、金の密輸のさらなる増加が想定されることから、罰金の大幅引上げに踏み切ったもの。