内閣府、企業版ふるさと納税の拡充・延長などを要望

内閣府は、2019年度税制改正に向けて、内閣官房とともに、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の拡充・延長を求めている。地方創生を推進し、企業から地方公共団体への寄附を安定的かつ継続的に確保するため、税制措置の拡充・延長等を図る。具体的には、2019年度までとなっている税額控除の特例措置を5年間(2024年度まで)延長することや特定の寄附に係る税額控除割合を引き上げることを要望した。

税額控除の特例措置の5年間の延長は、制度創設(2016年度税制改正)時と同様に、国の次期総合戦略の期間(2020年度~2024年度)と合わせることが必要。これまでに494の地方創生事業を認定し、総事業費は1262億円にのぼるなど一定の効果があったといえる一方で、同税制を活用している地方公共団体数は344団体(19.8%)にとどまっており、制度の活用が十分とはいえない状況にあるとしている。

また、子・孫・甥・姪の結婚・妊娠・出産・育児を支援し、少子化問題に対応するために、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の対象の拡充を要望。本措置の対象を、おじ・おばから甥・姪に対する贈与まで拡充し、信託の機能を活用し、結婚・妊娠・出産・育児に係る払出しを行う信託スキームを使って、子・孫・甥・姪へ贈与を行った場合について、贈与税の課税対象としないこととする。

さらに、2019年3月31日までとなっている適用期限の恒久化を要望。少子化対策については、現在でも様々な取組みを行っているものの、「合計特殊出生率」は1.26(2005年)から1.43(2017年概数)まで上昇したが、先進国の中でも低い水準。また、各種調査によれば、結婚や出産に踏み切れない理由として経済的理由等が挙げられていることから、経済的要因等の阻害要因を取り除くための措置が必要との要望理由を示している。

そのほか、子ども・子育て支援における制度の見直しに伴う税制上の所要の措置を求めた。本年6月15日に閣議決定された骨太方針において、3歳から5歳まで(0歳から2歳については住民税非課税世帯が対象)の子供たちの幼稚園、保育所、認定こども園等の費用無償化を明記。これらの幼児教育の無償化を進める上での法改正を行う場合、併せて非課税措置及び差押禁止措置などの税制上の所要の措置を講ずることを要望した。

内閣府の税制改正要望は↓
http://www.cao.go.jp/yosan/soshiki/h31/zei/31zei.pdf