国税庁、消費税率引上げに係る経過措置のQ&Aを公表

国税庁は、消費税率引上げを1年後に控え、「平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A」の「基本的な考え方編」と「具体的事例編」をホームページに公表している。経過措置の内容はすでに法律等で決まっているものの、税率8%適用のポイントとなる「指定日」の到来が半年後に迫っていることなどもあり、この時期にQ&Aを公表したものと思われる。

2019年新消費税法は、改正法附則に規定する経過措置が適用される場合を除き、2019年施行日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等並びに2019年施行日以後に国内において事業者が行う課税仕入れ等に係る消費税について適用し、2014年施行日(同年4月1日)から2019年施行日の前日(同年9月30日)までの間に国内において事業者が行った資産の譲渡等及び課税仕入れ等に係る消費税は、なお従前の例によることとされている。

したがって、2019年施行日の前日までに締結した契約に基づき行われる資産の譲渡等及び課税仕入れ等であっても、2019年施行日以後に行われるものは、経過措置が適用される場合を除き、その資産の譲渡等及び課税仕入れ等について2019年新消費税法が適用されることとなる。これが、2019年施行日前後の取引に係る消費税法の適用関係の原則だが、2019年施行日以後に行われる軽減対象資産の譲渡等については、軽減税率が適用される。

主な経過措置の対象には、旅客運賃等や電気料金等、請負工事等、資産の貸付け、通信販売などがある。消費税の納税義務は資産の譲渡等があったときに発生するため、税率の適用は、2019年10月1日を境に前後の譲渡等で8%と10%に区分されるが、取引の中には、建築物の工事などのように契約日から引渡しまでの間に2019年10月1日をまたぐものも出てくることから、このようなケース等を経過措置として取り上げている。

経過措置の対象は、基本的には税率が5%から8%に引き上げられた2014年4月の際の経過措置とほぼ同様で、請負工事等や通信販売では指定日(2019年4月1日)を設けたうえで、指定日の前日までの契約締結等の場合は、2019年10月1日以後の引渡しであっても8%の税率が適用されることなどを解説している。

同Q&Aの「基本的な考え方編」は↓
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/pdf/02.pdf

同Q&Aの「具体的事例編」は↓
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/pdf/03.pdf