酒税免税制度創設から1年間の許可酒蔵数は145件

日本の都道府県全てに存在する日本酒の蔵。「利き猪口の中には、日本が詰まっている」というように、酒蔵にはそこに関わる人々の地域の物語がたくさん存在する。観光庁では、酒蔵を訪れる外国人旅行者の増加と旅行消費の拡大のため、酒蔵を巡り、蔵人とふれあい、彼らがつくる酒を味わい、その酒が生まれた土地を散策しながら食や文化、歴史を全身で楽しむことができる「酒蔵ツーリズム」を関係省庁や酒造場と協力して進めている。

この酒蔵ツーリズムの振興により、日本産酒類の消費の拡大、もって海外での日本産酒類の認知度向上を通じた輸出促進を図ることが重要との観点から、2017年度税制改正で酒蔵ツーリズムにおける酒税免税制度が創設され、2017年10月から施行されている。3月25日に公表された国税審議会の資料によると、酒税免税制度の許可を受けている酒蔵数は、制度創設以来2018年10月1日時点の1年間で145件だったことが分かった。

許可件数145件を都道府県別でみると、最多が「広島県」の26件、「鹿児島県」15件、「兵庫県」8件などと続き、「青森県」・「秋田県」・「埼玉県」・「富山県」・「大阪府」・「島根県」の6府県は0件。なお、酒税免税制度は、酒類製造者が輸出物品販売場の許可を受けた酒類の製造場において、自ら製造した酒類を外国人旅行者などの非居住者に対して、一定の方法で販売する場合には、消費税に加えて酒税も免除されるというもの。

免税販売の対象となる「非居住者」については、外国人は原則として非居住者として取り扱われるが、外国人であっても、日本国内にある事務所の勤務者や日本に入国後6ヵ月以上経過するに至った人は該当しない。また、日本人であっても、(1)外国にある事務所(日本法人の海外支店等、現地法人、駐在員事務所及び、国際機関を含む)に勤務する目的で出国し外国に滞在する人は非居住者として取り扱われる。

さらに、(2)2年以上外国に滞在する目的で出国し外国に滞在する人、(3)(1)及び(2)に掲げる人のほか、本邦出国後、外国に2年以上滞在するに至った人、(4)(1)から(3)に掲げる人で、事務連絡、休暇等のため一時帰国し、その滞在期間が6ヵ月未満の人も非居住者として取り扱われる。なお、非居住者かどうかについては、旅券(パスポート)の査証ページにある上陸許可認証印(上陸年月日、在留資格)などを見て確認する。