空き家特例、老人ホーム等入所の場合の確認事項明示

2019年度税制改正において、相続した空き家に係る譲渡所得の3000万円特別控除の特例について、2019年4月1日以降の譲渡から、要介護認定等を受け、被相続人が相続開始の直前まで老人ホーム等に入所していた場合も、一定要件を満たせば適用対象となり、適用期限についても4年延長されることになった。その一定要件について、国土交通省がこのほど公表した資料で、その要件を満たす具体的な確認事項を明示している。

老人ホームに入所していた場合の具体的な要件としては、(1)被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続の開始直前まで老人ホーム等に入所をしていたこと、(2)被相続人が老人ホーム等に入所をしたときから相続の開始の直前まで、その者による一定の使用がなされ、かつ、事業の用、貸付けの用又はその者以外の者の居住の用に供されていたことがないこととされている。

この上記(2)の確認事項は、 (a)電気、水道又はガスの契約名義(支払人)及び使用中止日が確認できる書類、(b)老人ホーム等が保有する外出、外泊等の記録、(c)その他、要件を満たすことを容易に認めることができる書類のいずれかとしている。具体的に(a)は、支払い証明書、料金請求書、領収書、お客様情報の開示請求に対する回答書、通帳の写し又はクレジットカードの利用明細(最終の料金引渡し日が分かるもの)など。

また(b)では、例として、家屋を宛先住所とする被相続人宛の郵便物等や、電気、水道又はガスの家屋の一定使用は認められるが、事業の用等に供されていないことが確認できていない場合の書類として、市区町村が認める者が家屋の管理を行っていたことの証明書、不動産所得がないことを確認するための地方税の所得証明書等明細(最終の料金引き落とし日が分かるもの)などを示している。

国交省では、被相続人居住用家屋確認書の申請時における提出書類(介護保険の被保険者証等の写しや老人ホーム等が保有する書類、電気、ガスの使用中止日が確認できる書類など)については、相続後や家屋・敷地の譲渡後に入手が難しいものもあるため、特例適用の検討段階において早めに準備するよう呼びかけている。

国交省の公表資料は↓
http://www.mlit.go.jp/common/001283847.pdf