2019-07-30
総務省はこのほど、2019年度の地方交付税(普通交付税)不交付団体は前年度より8団体多い86団体(道府県分1=東京都のみ、市町村分85)となることを公表した。85市町村のうち、静岡県の裾野市と御前崎市、愛知県の豊橋市、知立市、高浜市、田原市、滋賀県の栗東市、兵庫県の芦屋市、佐賀県の玄海町の9市町が新たに不交付団体となった。逆に栃木県の上三川町は前年度不交付団体から2019年度は交付団体になった。
地方交付税は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整するため、地方法人税の全額と国税の一定割合を国が地方に再配分するもの。このため、不交付団体は財政が豊かともいえる。2008年に141あった不交付団体は、リーマンショック後の2009年には95団体、2010年には42団体に急減。これを底に以後徐々に増えてきた。2019年度は86団体に増え、その結果、交付団体は46道府県、1633市町村の計1679団体となった。
一方、消費税引上げに伴う需要を平準化するために2019年度税制改正で措置された環境性能割(自動車税・軽自動車税)の臨時的軽減(19年10月~20年9月までに取得した自家用車の税率を1%分軽減)による地方公共団体の減収を全額国費で補填する必要から、新たな地方特例交付金として、自動車税・軽自動車税減収補填特例交付金が創設されているが、2019年度は、自動車税減収補填分226億円、軽自動車税減収補填分23億円が決定した。
地方特例交付金は、税制改正等により、地方に減収が生じた場合に特例的に交付されるもの。既存の地方特例交付金としては、個人住民税における住宅ローン減税の実施に伴う地方公共団体の減収を補てんするための個人住民税減収補填特例交付金があり、2019年度は1742億円が決定している。これらの地方特例交付金は、いずれも普通交付税の交付・不交付にかかわらず、全地方公共団体が交付対象となる。
なお、決定した2019年度普通交付税の額は、道府県分が8兆1796億円(対前年度比0.4%増)、市町村分が7兆304億円(同1.8%増)の総額15兆2100億円(同1.1%増)にのぼる。都道府県別にみると、「北海道」が6017億4200万円で最も多く、次いで、「兵庫県」(2890億5000万円)、「鹿児島県」(2663億100万円)、「福岡県」(2419億4100万円)と続いている。不交付の東京都を除くと、最少は「愛知県」の715億1300万円だった。
2019年度普通交付税の算定結果等は↓
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei04_02000094.html