厚労省、認可外保育施設の利用料に係る税優遇拡充を要望

厚生労働省は、2020年度税制改正に向けて税制改正要望を明らかにし、その中に、子ども・子育て支援の観点から、「認可外保育施設の利用料に係る消費税の非課税措置の拡充」や、健康・医療支援の観点から、「医師少数区域等に所在する医療機関への税制上の優遇措置の創設」、「医師少数区域等における医療法人の承継税制の創設」、「健康サポート薬局に係る税制措置の延長等」などを盛り込んでいる。

認可外保育施設については、現在、認可外保育施設のうち、1日に保育する乳幼児の数が6人以上の施設、各都道府県知事等から、認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書の交付を受けた施設の要件をいずれも満たす施設においては、その利用料にかかる消費税が非課税となっている。こうした状況下、今般、幼児教育・保育の無償化を契機に、認可外保育施設の更なる質の確保・向上を図ることとしている。

具体的には、(1)認可外の居宅訪問型保育事業(いわゆるベビーシッター)、(2)認可外の家庭的保育事業(1日に保育する乳幼児の数が5人以下)の職員に係る資格・研修受講の基準を新たに創設し、これに基づき、都道府県等が指導監督を実施していくこととしている。そこで、1日に保育する乳幼児の数が5人以下の施設も認可外保育施設の利用料に係る消費税非課税措置の対象とすることを要望した。

医師少数区域等に所在する医療機関への税制上の優遇措置の創設は、医師少数区域等に所在し、認定を取得した医師が一定程度勤務する医療機関に対する不動産取得税及び固定資産税の軽減措置を講ずる。医師少数区域等における医療法人の承継税制の創設は、地域医療の確保の観点から、医師少数区域等にある持分あり医療法人については、医業継続に係る特例措置(相続税、贈与税の猶予等)の期間の延長等の措置を講ずるもの。

健康サポート薬局に係る税制措置については、地域住民による主体的な健康の維持・増進を積極的に支援する健康サポート薬局の取組みを推進するため、中小企業者が健康サポート薬局の用に供する不動産を取得した場合における、不動産取得税を減免する特例措置について、その適用期限を2年延長した上、特例措置の対象を地域連携薬局及び専門医療機関連携薬局に拡充することを要望している。

厚労省の「2020年度主な税制改正要望の概要」は↓
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000541535.pdf