優良申告法人に選定されるための基準とは!?

優良申告法人とは、「申告納税制度の趣旨に即した適正な申告と納税を継続し他の納税者の模範としてふさわしいと認められる法人」をいう。具体的には、いくつかの基準を満たしていることが国税当局に認められ、所轄税務署長から表敬状が授与されることによって優良申告法人となる。優良申告法人となるには調査を受けることが前提で、その調査の結果、基準を満たしていると判断される必要がある。

その基準の中には、(1)法人税・消費税・源泉所得税について不正計算がなく、追徴税額が一定金額以下であること、(2)その他の国税でも不正計算や多額の更正等がないことなど明確なものもある。しかし、(3)一切の取引について整然かつ明瞭に記録されるとともに、帳簿や証拠書類が適切に整理・保存され、取引等に係る事実関係及びその会計処理が速やかに確認できること、といった基準もある。

さらには、(4)経理体制が確立され内部牽制が機能していること、(5)従業員等他の者に対して適正な納税義務の履行を喚起する又は租税教育に取り組むなど、代表者の税務に対する認識が深いと認められること、といった曖昧な基準も含まれている。明確ではない基準については、具体的にどの程度まで達成できていればいいのかが不明瞭であり、現状では自社が優良申告法人の基準を満たしているかどうかを判断するのは困難と言えよう。

しかも、上記は調査における基準の一部で、これ以外にも、直近3年間の法人税の所得金額又は同期間の消費税額が一定金額以上であることなどの基準もあり、これらの基準を満たすのはかなり厳しいと思われる。それだけに、課税当局からそこまで評価されるというのは非常に価値が高く、税務当局は、こうした法人に対して、敬意を表すとともに、今後の適正な申告納税への期待を込めて、所轄税務署長から表敬状を授与するわけだ。