2020-04-17
新型コロナウイルス感染拡大の抑制のため、事業者に休業を要請しており、例えば東京都は、居酒屋などの飲食店には休業要請はしないものの、営業時間は20時まで、酒類の提供は19時までと厳しい制限を求めている。飲食店の中には、提供する料理等のテイクアウトなどに活路を探るところもある。また、飲食店の多くが多量の酒類の在庫を抱えており、その在庫を現金化できれば営業継続の大きな助けとなろう。
そこで国税庁では、在庫酒類の持ち帰り用販売等をしたい料飲店等に対して、「期限付酒類小売業免許」を付与することを決めた。居酒屋や料理店といった料飲店等が、提供する酒類を来店客の自宅等での消費のための持ち帰り(テイクアウト)用に販売をするためには酒類小売業免許が必要となるが、通常はテイクアウト用に販売することがないので酒類小売業免許を持っていないケースがほとんどである。
しかし、今般の新型コロナウイルス感染症で飲食業界は大きな影響を受けており、これに基因して在庫酒類を販売することで資金確保を図りたい料飲店等もあることから、通常の酒類小売業免許とは違う期間限定の「期限付酒類小売業免許」を与えることとした。具体的には、料飲店等が今年6月末までに同免許申請書を所轄税務署に提出して認められれば、免許付与から6ヵ月間酒類を販売できることとした。
免許の申請から付与までは通常2ヵ月くらいかかるが、申告手続きの簡素化・免許処理の迅速化を図り、申請後短期間で取得できる。なお、この期限付酒類小売業免許についても、一般の酒類小売業免許と同様に、酒類の仕入れ、販売について帳簿に記帳する義務が課されるほか、販売数量の報告等を行う必要がある。期限付酒類小売業免許を付与された料飲店等は、既存の取引先小売業者との取引が引き続き可能だ。
また、この期限付酒類小売業免許で販売できる酒類は、既存の在庫をはじめ既存の取引先からの仕入れの販売に限られる。そのほか、期限付酒類小売業免許を付与された料飲店等が、料理に併せるなどして酒類を宅配することは可能だが、インターネット等を利用して、都道府県以上の広範な地域の消費者等を対象として酒類を販売することはできない(別途、通信販売酒類小売業免許を取得する必要がある)。
この件については↓
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/kansensho/index.htm#jigyousha