2016-11-21
金融庁の公認会計士・監査審査会が発表した2016年公認会計士試験結果によると、合格者数は前年に比べ5.4%(57人)増加の1108人となり、2007年以来9年ぶりに増加した。新試験の合格者と同じ扱いとなる旧制度の合格者等(旧第2次試験合格者の短答式試験みなし合格者)は前年比52.4%減の10人、新制度の合格者(短答式試験の受験者等)は同4.5%増の1098人だった。
願書の提出者は、2006年の新試験制度移行後では最少だった前年を0.7%上回る1万256人と低水準のままだった。しかし、合格者数が5.4%増加し、合格率は10.8%と前年より0.5ポイント増え、5年連続で増加した。短答式試験合格者数は前年比0.4%減少の1501人(前年・前々年の短答式試験合格による短答式試験免除者を加えると2868人)で、同2.1%減の3021人が論文式試験を受験し、1108人が最終的に合格している。
金融庁は2006年から、会計士の裾野を広げるため新試験制度を導入し、1度の試験ですべての科目に合格しなくても、合格した科目については翌年から2年間、受験を免除する仕組みとした。その結果、合格者数も当初は3000人を突破したが、一方で就職できない合格者が増え問題視されていた。今回は、監査法人などが採用を増やし、試験に合格しても就職できない「会計士浪人」の発生を抑えたため、受験者が増えたものとみられている。
今回の合格者の最高年齢は67歳、最低年齢は19歳、平均年齢は26.2歳。女性は全体の21.3%(06年以降では最高)を占める236人。合格者の学歴は、55.6%(616人)が「大学卒業(短大含む)」以上。また、合格者の職業は、「会計士補」(8人)以外では、「学生」・「専修学校・各種学校受講者」が71.7%(795人)を占め、次いで「無職」が12.9%(143人)、「会社員」が6.3%(70人)、「会計事務所員」が5.1%(56人)などだった。
なお、2016年試験の合格点は52.0%以上の得点比率(偏差値による)だったが、試験科目のうち1科目につき得点比率が40%未満のものがある場合は不合格となった。合格率(合格者/願書提出者)は10.8%、短答式試験の受験者等の合格率は10.8%だった。科目免除資格取得の得点は、55.7%以上の得点比率で、合格発表の日から起算して2年を経過する日までに行われる論文式試験において、当該科目が申請により免除される。
試験結果の詳細は↓
http://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/ronbungoukaku_28.html