研究開発税制、新たな役務開発に要する一定費用追加

2017年度税制改正での法人課税関係では、研究開発税制の見直しがある。現行制度は、研究開発費の総額に対する減税(総額型)、又は開発費が過去3年の平均より増加した場合にその増加額の一定割合を法人税額から控除(増加型)する制度だが、改正後は、減税対象となる研究開発の定義にサービス開発を追加し、また、控除割合は原則開発費の増加割合に応じる仕組みとする。

与党大綱によると、試験研究費の範囲について、「対価を得て提供する新たな役務の開発に係る試験研究のために要する一定の費用を加える」と明記。対象にIoT、ビックデータ、人工知能(AI)等を活用した「第4次産業革命型」のサービス開発のための試験研究に係る一定の費用を新たに追加する。一定の費用とは、そのサービス開発を目的として行う業務に要する原材料費や人件費、経費、委託費をいう。

さらに、「総額型」は、研究開発費の増減に応じて税額控除率を6~14%に変動させる(10%超の部分は2年間の時限措置)。中小企業技術基盤強化税制は、2年間の時限措置として、試験研究費の増加割合が5%を超える場合には、税額控除率(12%)に、増加割合から5%を控除した割合に0.3を乗じて計算した率を加算する(ただし、税額控除率の上限は17%)などの措置を講じる。

試験研究費の増加型又は平均売上金額の10%を超えた場合の税額控除制度(高水準型)を選択適用する制度は、増加型を2016年度末の期限をもって廃止した上で、適用期限を2018年度末まで2年延長する。また、大学・国の研究機関、企業等との共同・委託研究等の費用(特別試験研究費)総額に係る控除制度(オープンイノベーション型)は、対象費用の追加・変更の柔軟化や手続きの簡素化など、要件の緩和を図る。