2020-11-06
新型コロナウイルス感染症拡大のなか、スマホやタブレットを使って自宅や職場などから診療が受けられるオンライン診療が注目を集めている。移動時間や待ち時間を気にせず診療を受けることができ、自宅から医師の治療が受けられるのはもちろん、診療により処方された医薬品は、医療機関から受診者が希望した薬局に処方箋情報が送付され、その薬局から自宅への配送もできる仕組みとなっている。
オンライン診療は大変便利だが、この仕組みを利用するためには、(1)オンライン診療料に係る費用、(2)オンラインシステムの利用料の支払が必要となるが、(3)処方された医薬品の購入費用や(4)処方された医薬品の配送料も含めて、これらの支出は医療費控除の対象となるのか気がかりなところだ。国税庁では、「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応などの当面の税務上の取扱いFAQ」の中でその見解を示している。
それによると、オンライン診療に係る費用については、オンライン診療料のうち、医師等による診療や治療のために支払った費用については、医療費控除の対象となる(所得税法73条2項、所得税法施行令207条1項)。また、医師等による診療や治療を受けるために支払ったオンラインシステム利用料については、オンライン診療に直接必要な費用に該当するので、医療費控除の対象となる(所得税基本通達73-3参照)としている。
次に、処方された医薬品の購入費用については、処方された医薬品の購入費用が、治療や療養に必要な医薬品の購入費用に該当する場合は、医療費控除の対象となる(所得税法73条2項、所得税法施行令207条1項2号)。しかし、処方された医薬品の配送料については、治療又は療養に必要な医薬品の購入費用に該当しないので、医療費控除の対象とはならないとの考えを示している。