新型コロナウイルス対応で印紙税非課税措置を延長

このほど、インターネット版官報において「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律施行令の一部を改正する政令」(政令第8号)が公布され、新型コロナ感染症等によりその経営に影響を受けた事業者に対して行う特別貸付けに係る消費貸借契約書の印紙税の非課税措置の適用期限(2021年1月31日)が、2022年3月31日まで延長された。この政令は、2月1日から施行される。

上記の「臨時特例に関する法律施行令」は、2020年4月30日に公布され、同日より施行された。納税の猶予の特例、指定行事の中止等により生じた権利を放棄した場合の寄附金控除、住宅ローン控除、大規模法人等以外の法人の欠損金の繰戻還付、消費税の納税義務の免除の規定の適用を受けない旨の届出等、特別貸付けに係る消費貸借契約書の印紙税の非課税等についての細則等を定めている。今回で二度目の改正となる。

この改正の結果、特定事業者に対して行う一定の金銭の貸付けに係る消費貸借契約書のうち、2022年3月31日までに作成されるものについて、印紙税が非課税となる。この印紙税が非課税とされる地方公共団体、政府系金融機関等が行う一定の金銭の貸付けに係る「消費貸借契約書」とは、次の(1)から(4)までの全ての要件を満たす金銭の貸付けに関して作成される消費貸借契約書をいう。

その要件とは、(1)金銭の貸付けを受ける者が新型コロナ感染症及びそのまん延防止のための措置によりその経営に影響を受けた「特定事業者」であること、(2)金銭の貸付けを行う者が、公的貸付機関等であること、(3)新型コロナ感染症及びそのまん延防止のための措置によりその経営に影響を受けたことを条件として行う金銭の貸付けであること、(4)他の金銭の貸付けの条件に比し特別に有利な条件で行う金銭の貸付けであること。

なお、印紙税が非課税となる消費貸借契約書について、既に印紙税を納付している場合には、「印紙税過誤納確認申請書」を税務署に提出し、税務署長の過誤納確認を受けることにより、その納付された印紙税額に相当する金額の還付を受けることができる。提出の際は、できるだけ郵送で提出すること、また、過誤納となった契約書等(原本)を提示又は過誤納となった事実を金融機関等が証明した書類(原本)を提出する必要がある。