2021-02-08
財務省が今通常国会に提出した「2019年度租税特別措置の適用実態調査結果報告書」によると、2019年度(2019年4月~2020年3月)に終了した事業年度又は連結事業年度において、適用額明細書の提出があった法人数は約132万法人(2018年度約127万法人)で前年度から3.7%増加、適用件数は法人税関係の租税特別措置83項目(同86項目)について約206万件(同約198万件)と同3.9%増加していることが分かった。
租税特別措置の主な種類ごとにみると、中小企業へ軽減税率(資本金1億円以下の中小企業には年800万円以下の所得に特例で15%(本則の軽減税率は19%)の税率)を適用する「法人税率の特例」(2措置)が、適用件数が98.9万件(2018年度比3.0%増)、適用額が3兆9589億円(同3.9%増)と最も多い。また、「税額控除」(18措置)は、適用件数が18.1万件(同▲0.7%減)、適用額が8356億円(同▲17.8%減)だった。
「税額控除」では、「給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除」が適用件数13万件、適用額2289億円と最も多いが、同特別控除は、大企業向けの賃上げ・生産性向上のための措置と所得拡大促進税制の適用を合わせた数字であり、11.9万件は中小企業向けの措置。次いで「中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除」が多く、適用件数が2.8万件、適用額が183億円だった。
そのほか、「特別償却」(30措置)が適用件数4.7万件(2018年度比▲5.0%減)、適用額9356億円(同▲4.1%減)。主な内訳は、「中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却」が2.6万件、2338億円、「中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却」が1.7万件、5685億円だった。税制改正によって2019年度から新たに利用可能となった「中小企業防災・減災投資促進税制」は7件、792万円にすぎなかった。
また、「準備金等」(15措置)は、適用件数が1.3万件(同▲0.4%減)、適用額が9573億円(同2.1%増)となっている。「準備金等」では、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」が適用件数58.6万件、適用額3415億円で最も多く、次いで「特定の基金に対する負担金等の損金算入の特例」が適用件数21.4万件、適用額2549億円で続く。
同報告書は↓
https://www.mof.go.jp/tax_policy/reference/stm_report/fy2020/gaiyou.pdf