2021年度税制改正関連法が26日成立、4月1日施行

2021年度税制改正関連法である所得税法等の一部改正法案及び地方税法等の一部改正法案が26日、参院本会議で可決・成立した。4月1日に施行される。所得税法等の改正法は、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現を図るため、企業のデジタルトランスフォーメーション及びカーボンニュートラルに向けた投資を促進する措置を創設するとともに、こうした投資等を行う企業に対する繰越欠損金の控除上限の特例を設ける。

主な改正内容をみると、個人所得課税では、住宅ローン控除の控除期間13年の特例を延長(一定の期間に契約し、2022年12月31日までに入居した者が対象)。この延長した部分に限り、合計所得金額が1000万円以下の者について面積要件を緩和し、床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満である住宅も対象とする。注文住宅は2020年10月から2021年9月末まで、分譲住宅などは2020年12月から2021年11月末までの契約。

法人課税では、クラウド化等による事業変革に係る投資に対する税額控除(5%・3%)又は特別償却(30%)ができるデジタルトランスフォーメーション投資促進税制を創設する(2年間の時限措置)。また、2050年カーボンニュートラルに向け、脱炭素化効果の高い先進的な投資について、税額控除(10%・5%)又は特別償却(50%)ができるカーボンニュートラルに向けた投資促進税制を創設する(3年間の時限措置)。

研究開発税制については、厳しい経営環境にあっても研究開発投資を増加させる企業について、2年間の時限措置として、税額控除の上限を引き上げる(改正前:25%→30%)とともに、研究開発投資の増加インセンティブを強化する観点から、控除率カーブの見直し及び控除率の下限の引下げ(改正前:6%→2%)を行う。さらに、繰越欠損金の控除上限の特例の創設や中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設等がある。

資産課税では、教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置について、贈与者死亡時の残高について相続税額の2割加算を適用する等の見直しを行った上で、2年延長する。また、納税環境整備では、政府全体の行政手続きにおける押印義務の見直しの方針を踏まえ、税務署長等に提出する税務関係書類において、実印及び印鑑証明書を求めている手続き等を除き、押印義務を廃止するほか、電子帳簿等保存制度を見直す。

財務省の「2021年度税制改正」は↓
https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei21_pdf/zeisei21_all.pdf