2021-04-05
2020年分の所得税等の確定申告は終盤に向かっているが、忘れてならないのは贈与税の申告だ。贈与税の申告と納税は、原則、財産をもらった人が、もらった年の翌年の2月1日から3月15日まで(今回は4月15日まで延長)にすることになっている。申告書は、郵便や信書便による送付又は税務署の時間外収受箱へ投函する方法のほか、e-Taxを利用して提出できる。贈与税の申告書の提出先は、原則、贈与を受けた人の住所を所轄する税務署だ。
納税は、(1)現金で納付する場合は、現金に納付書を添えて、金融機関(日本銀行歳入代理店)又は住所地等の所轄の税務署の納税窓口で納付する。納付書(一般用)は、税務署又は所轄の税務署管内の金融機関で用意されている。(2)e-Taxで納付する場合は、自宅等からインターネット利用で納付できるほか、(3)インターネットを利用して専用のWeb画面からの納付や、(4)国税をコンビニエンスストアで納付することができる。
また、贈与税もほかの税金と同じく金銭で一時に納めるのが原則だが、一度に多額の納税をすることが難しい場合もあり、延納という納税方法がある。この延納は一定の条件の下に5年以内の年賦により納税する方法である。延納を受けるには、(1)申告による納付税額が10万円を超えていること、(2)金銭で一度に納めることが難しい理由があること、(3)担保を提供すること、の3つの全てに当てはまることが必要となる。
ただし、延納税額が100万円以下で延納期間が3年以下の場合、担保は必要ない。延納するための手続きは、延納しようとする贈与税の納期限又は納付すべき日(延納申請期限)までに、延納申請書に担保提供関係書類を添付して所轄税務署長に提出することが必要だ。税務署長は延納申請書に基づいて延納の許可又は却下をすることになる。延納できることになった税金には年率6.6%の利子税がかかる。
なお、各年の延納特例基準割合が7.3%に満たない場合の利子税の割合は、「6.6%×延納特例基準割合÷7.3%」の算式により計算される割合(特例割合)が適用される。延納特例基準割合とは、各分納期間の開始の日の属する年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合だ。