2021-04-07
2021年度の税制改正により、少額の土地を相続により取得した場合の登録免許税の免税措置について、その適用対象に一定の所有権の保存登記が追加されるとともに、(1)相続により土地を取得した個人が登記をしないで死亡した場合の登録免許税の免税措置、(2)少額の土地を相続により取得した場合の登録免許税の免税措置について、その適用期限が2022年3月31日まで1年延長された。
(1)の特例は、相続(相続人に対する遺贈を含む)により土地の所有権を取得した個人が、その相続によるその土地の所有権の移転登記を受ける前に死亡した場合には、2018年4月1日から2022年3月31日までの間に、その死亡した個人をその土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記については、登録免許税を課さないこととされている(租税特別措置法第84条の2の3第1項)。
(2)の特例は、個人が、2018年11月15日から2022年3月31日までの間に、土地について、(ア)所有権の保存登記(不動産登記法第2条第10号に規定する表題部所有者の相続人が受けるものに限る)又は(イ)相続による所有権の移転登記を受ける場合に一定要件を満たすときは、その土地の所有権の保存登記又はその土地の相続による所有権の移転登記は、登録免許税を課さないこととされている(租税特別措置法第84条の2の3第2項)。
(イ)の一定要件とは、A.その土地が相続登記の促進を特に図る必要がある一定の土地であり、かつ、B.その土地の登録免許税の課税標準となる不動産の価額が10万円以下であるとき。この一定の土地は、市街化区域外の土地で市町村の行政目的のため相続登記の促進を特に図る必要があるものが対象とされ、法務大臣の告示で定められている。不動産の価額は、市町村役場で管理している固定資産課税台帳の価格がある場合は、その価格。
また、固定資産課税台帳の価格がない場合は、登記官が認定した価額になるので、その不動産を管轄する登記所に問い合わせる必要がある。なお、上記の「相続による土地の所有権の移転登記」及び「土地の所有権の保存登記」の本則税率はいずれも0.4%だが、2021年度税制改正によって適用期限が延長され、2022年3月31日までは免税となるわけだ。