2021-05-26
法人は、帳簿を備え付けてその取引を記録するとともに、その帳簿と取引等に関して作成又は受領した書類を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければならない。また、法人が、取引情報の授受を電磁的方式によって行う電子取引をした場合には、原則としてその電磁的記録(電子データ)をその事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存する必要がある。
保存期間については、2015年度及び2016年度税制改正により、2018年4月1日以後に開始する欠損金の生ずる事業年度においては、帳簿書類の保存期間が10年間に延長されている。なお、「帳簿」には、例えば総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳などがあり、また、「書類」には、例えば棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書などがある。
帳簿書類の保存方法は、紙による保存が原則だが、保存期間の6年目以降(一定の書類については4年目以降)の帳簿書類は、一定の要件を満たすマイクロフィルムによる保存ができる。また、自己が電磁的記録により最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する帳簿書類で一定の要件を満たすものは、紙による保存によらず、サーバ・DVD・CD等に記録した電磁的記録(電子データ)のままで保存することができる。
電子データ保存を行う場合には、あらかじめ所轄税務署長に対して申請書を提出し、承認を受けること、また、この申請書は、備付け開始日の3ヵ月前の日までに提出する必要がある。さらに、保存すべき書類のうち、棚卸表、貸借対照表及び損益計算書並びに計算、整理又は決算に関して作成されたその他の書類以外の一定の書類については、紙による保存によらず、スキャナ保存を行うことができる(帳簿については、スキャナ保存は不可)。
スキャナ保存を行う場合には、あらかじめ所轄税務署長に対して申請書を提出し、承認を受けること、また、この申請書は、スキャナ保存を行おうとする日の3ヵ月前の日までに提出する必要がある。なお、2019年度税制改正により、承認を受ける前に作成又は受領した重要書類についても、2019年9月30日以後に適用届出書を提出し、一定の要件を満たすことで、スキャナ保存することが可能となっている。
そのほか、自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する帳簿書類については、一定の要件の下で、紙による保存によらず、その電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルム(COM)による保存ができる。COMによる保存を行う場合には、あらかじめ所轄税務署長に対して申請書を提出して承認を受けること、また、この申請書は、COMによる保存を行おうとする日の3ヵ月前の日までに提出する必要がある。