2021-08-16
賛否両論が渦巻くなか、17日間にわたって開催された東京オリンピックは8日、閉幕した。日本は史上最多となる58個(金27、銀14、銅17)のメダルを獲得し、日本オリンピック委員会(JOC)が規定するメダル獲得の報奨金総額は4億4400万円にのぼるという。賞金や報奨金は、一般的には「一時所得 」として課税対象とされるが、オリンピックの賞金・報奨金に限っては、現在、所得税法により特別に「非課税」とされている。
JOCから受け取る報奨金は、金メダルが500万円、銀メダルが200万円、銅メダルが100万円。監督・コーチを除き、メダルを獲得した選手全員に支給され、団体競技では金の野球24人が最高の1億2000万円、次いで金のソフトボール15人の7500万円となった。個人では、体操男子で個人総合、種目別鉄棒で2冠、団体総合銀の橋本大輝の1200万円が最多、女子最多は2冠の競泳女子・大橋悠依の1000万円だった。
これらのJOCの報奨金に加えて、加盟競技団体からも賞金・報奨金が支給されるケースがある。金メダルの場合、各競技団体から、水泳3200万円(スポンサー企業も含め)、自転車3000万円、陸上競技2000万円、テコンドー・ゴルフ・卓球・バドミントン・馬術各1000万円、テニス800万円、ライフル・野球500万円などが予定されていて、3200万円から柔道の0円まで大きな差がある。
これらの加盟競技団体からの報奨金については、2020年度税制改正で非課税枠が500万円(改正前300万円)に引き上げられ(銀200万円、銅100万円の上限は据置き)、500万円を超える部分は課税されるものの、従来であれば課税されていた野球選手は非課税の範囲内に収まることになる。また、選手に、スポンサーや所属企業から報奨金が支給されることもあるが、これらの報奨金は「一時所得」として課税対象となる。
ちなみに、2020年度税制改正の大綱では、「オリンピックにおける成績優秀者を表彰するものとして各競技統括団体から交付される金品の非課税限度額について、2020年に開催される東京オリンピックにおける日本オリンピック委員会から交付される金品の額を参考に引き上げるとともに、パラリンピックにおける成績優秀者を表彰するものとして各競技統括団体から交付される金品について同額までの部分を非課税とする」とされていた。