2020年分民間平均給与は2年連続減少の433万円

2020年1年間を通して民間企業に勤めた給与所得者の平均給与は433万円で、前年に比べ▲0.8%(3万円)減少したことが、国税庁が公表した2020年分民間給与実態統計調査結果で分かった。平均給与は2年連続の減少。2020年12月31日現在の給与所得者数は、前年に比べ▲1.0%減少の5928万人。給与総額は219兆2054億円(前年比▲5.4%)、所得税額は10兆3411億円(同▲7.2%)だった。

給与所得者のうち、1年を通じて勤務した給与所得者数は、前年比▲0.2%の5245万人(正規3483万人、非正規1203万人)となり、前年までの7年連続の過去最多更新から微減となった。その平均給与433万円の内訳は、平均給料・手当が同0.7%増の369万円と増加に転じものの、賞与は同▲8.1%の65万円と4年ぶりに減少した。平均給料・手当に対する平均賞与の割合は前年から▲1.5ポイントの17.6%となった。

男女別の平均給与は、男性が前年比▲1.4%の532万円、女性は過去最高額だった前年から▲1.0%の293万円となった。また、正規、非正規別にみると、1人当たりの平均給与は、正規が同▲1.5%の496万円、非正規は同0.9%増の176万円と増加したが、2.8倍の差がある。平均給料・手当は、正規が同▲0.3%の407万円、非正規は同1.3%増の168万円、賞与は、正規が同▲8.1%の89万円、非正規は同▲6.0%の8万円だった。

1年を通じて勤務した給与所得者5245万人のうち、源泉徴収により所得税を納税している人は全体の84.9%(前年と同じ)を占める4452万人で、前年より▲0.2%減少した。その納税額(源泉徴収税額)は10兆7126億円で、納税者の給与総額に占める税額の割合は5.07%(前年5.04%)、納税額は前年に比べ▲0.6%減少している。なお、給与総額全体に占める税額の割合は4.72%(同4.70%)だった。

なお、1年を通じて勤務した給与所得者の平均賞与の減少率▲8.1%は、リーマンショック後の2009年調査(▲13.2%)につぐ減少率となった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて宿泊業や飲食業を中心に業況が低迷したことが要因とみられている。また、正規と非正規の平均給与(正規496万円、非正規176万円)の差は320万円となり、統計を取り始めた2012年分以後、8年ぶりに初めて差が縮小している。

同実態統計調査結果の概要は↓
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/001.pdf