「耐久性向上改修工事」をリフォーム減税の対象に

2017年度税制改正では、既存住宅の長期優良住宅化促進のため、耐震・省エネリフォーム減税の特例を拡充し、同特例の適用対象となる工事に特定の省エネ改修工事と併せて行う一定の「耐久性向上改修工事」を加えるとともに、税額控除率2%の対象となる住宅借入金等の範囲に、特定の省エネ改修工事と併せて行う一定の「耐久性向上改修工事」の費用に相当する住宅借入金等を加える。

一定の「耐久性向上改修工事」とは、(1)小屋裏、(2)外壁、(3)浴室、脱衣室、(4)土台、軸組等、(5)床下、(6)基礎若しくは(7)地盤に関する劣化対策工事又は(8)給排水管若しくは給湯管に関する維持管理若しくは更新を容易にするための工事で、認定を受けた長期優良住宅建築計画に基づくものや、工事費用(補助金等の交付がある場合には、補助金等の控除後の金額)の合計額が50万円を超えることなど、一定の要件を満たすものが対象となる。

耐久性向上改修工事をした場合の減税措置は、改修資金が住宅ローンの場合と自己資金の場合の2つ。ローンの場合は、特定の省エネ改修工事と併せて行う工事に対して適用され、最大で12万5千円が5年間控除される。自己資金の場合は、耐震改修工事又は省エネ改修工事と併せて行う工事に対して適用され、最大で50万円がその年の所得税から控除される。このほか、固定資産税が工事翌年度に3分の2減額される措置が設けられる。

また、耐久性向上改修工事の証明書の発行は、住宅の品質確保の促進等に関する法律に規定する登録住宅性能評価機関、建築基準法に指定する確認検査機関、建築士法の規定により登録された建築士事務所に所属する建築士又は特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定による指定を受けた住宅瑕疵担保責任保険法人が行うものとする。その他の要件は、現行の同特例と同様となる。

なお、省エネ改修については、適用要件を合理化し、現行の必須要件である「全ての居室の窓全部の断熱改修(全窓要件)」を、住宅全体の省エネ性能(断熱等級4など)の改修により確保した場合も適用するよう見直す。これらの改正は、増改築等をした居住用家屋を本年2017年4月1日から2021年12月31日までの4年間に自己の居住の用に供する場合に適用される。